生涯一書痴! 病高じて古本屋の店主になってしまった、ぺんぺんの読書日記です。書評ってほど偉そうなものではないですが(汗)読んで楽しかった本、いろいろ考えた本を紹介したいです
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さて。
久しぶりの更新だけど、
今回は、ガチの書評というより、覚書です。

今年、一番悲しかったのは、
大好きな清志郎(忌野清志郎)が天国へ行ってしまったこと。
しばらく、ぼんやりうつうつと過ごして、
つらすぎて曲も聴けなくて(泣くから)
きつい日々が続いたけど、
やっと、
「やっぱり、いいなあ。好きだなあ」
という愛しい気持ち、
「こんなに素敵な歌をありがとう」
という感謝の思いで、
歌を聴いたり、口ずさめるようにもなってきた。

もちろん、清志郎がすごいのは歌だけじゃない。
俳優としての演技も好きだったし、
文筆家としての彼も最高だ。

古本屋であるあたしには、
彼の残した軌跡を、他の人に紹介する、
彼の本を人々に届ける、
という仕事があるんだから、
「泣いちゃいられねえ!!」
と(笑)

そういうわけで、
店の方にも、何冊か清志郎の本を出したりしてるんだけど、
中には絶版または版元品切れのものもあり、
「これ売っちゃうと、自分自身も次いつ手に入るか、
わかんないよなあ・・・」
というレア物もある。

未練をぐっと抑えて、
極力、出品するようにはしてるんだが。

これも、そんな1冊。

日記のようなエッセイのような詩のような小説のような、
虚実がないまぜになった不思議な行間の心地よさ。
清志郎はやっぱり天才だ・・・と思った本だ。

憲法、君が代、自殺問題からレコード発禁事件まで、
多岐にわたるエピソードを縦横無尽に語るその文章は、
彼の音楽とおんなじくらい素敵だ。
言葉のセンスが相変わらず素敵で、ため息が出そう。

第1話に理想郷として語られていて、タイトルにもなっている

「双六問屋」

いったい他の誰がこんな言葉を日常的に思いつくというのだ?!(笑)

少し引用させてもらおう。

「双六問屋に行ったことがあるかい?
そこはみごとな世界だった。
双六問屋の世界では履歴書などいらない。
学歴や職歴を誰に告げる必要もないのだ。
(略)みんなが本当の自分の仕事を持っているのだ。
だから当然流行に流されて右往左往している者もいない。
若者は目上の人々に敬意を抱き、
年長者は何が本当に大切なものかよくわかっている。
双六問屋は理想郷であった」


うーん。
とにかく深い(笑)

雑誌「TV Bros.」(東京ニュース通信社)
1998年11月21日号~2000年7月22日号の連載に
加筆・訂正したもの43話に加え、
「没原稿(一)~(三)」と各話のレコード解説は書き下ろし。

各話の巻末にレコード・CD評がついていて、
清志郎がどんな音楽を聴いていたのかがわかってファンには興味深い。
オーティスやジミヘン、マディ・ウォーターズ、
ジェームス・ブラウンなどなど。
そしてRCサクセションラフィー・タフィーなど
清志郎自身の作品についても言及。
これがまたいいんだわさ。
載ってるCD全部欲しくなっちゃうくらい(笑)
時間をかけて、清志郎を偲びながら、
こつこつ集めてみるのもいいかな。
下に、タイトルとアーティスト名を含む、目次も書いておくので、
「清志郎が好きだった音楽」
に興味のある人は、
じっくり眺めてみて。

あいだにはさまる
「絵画開眼」
(イマーノ画伯のイラストや4コマ漫画)
も、なんとも言えず味があるねえ。

ポラロイド写真で綴る
「瀕死の近況双六・問屋への道」
も楽しい。

実は、この『瀕死の双六問屋』は、
読みたいだけなら、小学館文庫で復刊されたものが、
まだ入手可能。
なんで、単行本がレアで高値なのかというと、

「この本のために作った極上のロックン・ロール4曲入り特製CD付き」

だから。

収録曲は、
 
「瀕死の双六問屋のテーマ」 
「遠いシナリオ」 
「フリーター・ソング」 
「瀕死の双六問屋 エンディング・テーマ」


どれも、素敵な曲ばかり。
本のオマケというには、すごすぎる(笑)
「瀕死の双六問屋のテーマ」
は、一度聴くと、耳について離れなくて、
脳内でエンドレスで流れ続けるグルーヴ感がたまらん(笑)



『瀕死の双六問屋』

<目次>

第一話 問屋からきた男
「Rainbow Cafe」忌野清志郎Little Screaming Revue
第二話 小部屋へ向かう道
「STAX SOUL CHRISTMAS」V.A.
第三話 孤独の叫び
「SINGS SOUL BALLADS」OTIS REDDING
第四話 防波堤は風の中
「IN MY OWN DREAM」THE BUTTERFIELD BLUES BAND
第五話 悪い星の下に
「GROOVIN'」YOUNG RASCALS
第六話 新しい旅立ち
「LIVING THE BLUES」CANNED HEAT
第七話 リスト・バンドを残していった男
「GOOD AS I BEEN TO YOU」BOB DYLAN
第八話 恋のダイヤモンド・リング
「THE ORIGINAL」GARY LEWIS&THE PLAYBOYS
第九話 双六問屋へ帰りたい
「DOUBLE DYNAMATE」SAM&DAVE
第十話 エレファントラブがやってくるヤァー・ヤァー・ヤァー
「STAY GOLD」エレファントラブ
絵画開眼 一
第十一話 がんばれ!アフロ之助・外伝
第十二話 ケンとメリーのGTR
「Mr.LOVE PANTS」LAN DURY&THE BLOCKHEADS
第十三話 最高の一日の始まりに乗り遅れてはなるものか
「Song for a Tailor」Jack Bruce
第十四話 5個目のボタンの方が心配だ
「FOUR FRESHMEN & FIVE TROMBONES」FOUR FRESHMEN
第十五話 本当に必要なものだけが荷物だ
「KING&QUEEN」OTIS REDDING & CARLA THOMAS
第十六話 続・ケンとメリーとGTR
「BEST OF P.P&M」PETER,PAUL&MARY
第十七話 雨の日のカー・ウォッシュ
「RUFFY TUFFY」忌野清志郎
第十八話 五十年以上も戦争の無かった国に生きている
「COVERS」RCサクセション
第十九話 オレンジをさがしに・・・
「SOUL TO SOUL」V.A.
第二十話 宇宙飛行士の友達
「VENTURES IN SPACE」THE VENTURES
絵画開眼 二
第二十一話 ラフィータフィーついにステージ・デビュー
第二十二話 また放浪の旅が始まる
「Cahoots」The Band
第二十三話 様々な制約と規制の中で、がんばれ外資系の会社よ!
「冬の十字架」忌野清志郎 Little Screaming Revue
第二十四話 俺を笑わせてくれないか
「BITTER WITH SWEET」THE 49ERS
第二十五話 子供には必ず親がいるとはかぎらない
「WHEN A MAN LOVES A WOMAN」Percy Sledge
第二十六話 ドブネズミどもに捧ぐ
「AXIS:BOLD AS LOVE」THE JIMI HENDRIX EXPERIENCE
第二十七話 職安へ行こう!
「坂道」ワタナベイビー
第二十八話 ロックン・ロール・グルになって夢を実現するんだ
「Say It Loud I'm Black & Proud」JAMES BROWN
第二十九話 2001年・宇宙からの手紙
「The Letter(from THE BEST OF Box Tops)」Box Tops
第三十話 ブルースをつめ込んでワゴン車で出発だ
「MEMBERS ONLY(from MEMBERS ONLY)」BOBBY BLUE BLAND
絵画開眼 三
第三十一話 君は水道を出しっぱなしにしたまま行ってしまった
「DO RIGHT MAN」DAN PENN
第三十二話 元気を出してねと、よく女に言われるけど
「I FEEL FINE(from PAST MASTERS vol.1)」THE BEATLES
第三十三話 月の砂漠より謎の譜面を
「BO&GUMBO」BO&GUMBOS
第三十四話 ちょっと待ちねえ、これを聴きねえ
「MOONDOG MATINEE」The Band第三十五話 ロス・アンジェルスから愛を込めて
「I THANK YOU」SAM&DAVE
第三十六話 俺のことは早く忘れてくれ
「コンパウンド」加部正義
第三十七話 昨日、天国から天使がここにやって来た
「ANGEL(from CRY OF LOVE)」JIMI HENDRIX
第三十八話 毎日がとても退屈だったから俺はインディーズに走った
「RESPECT!」V.A.
第三十九話 泥水(マディ・ウォーターズ)を飲み干そう
「AT NEWPORT」MUDDY WATERS
第四十話 たかだか40~50年生きて来たくらいでわかったようなツラをすんなよ
「夏の十字架」ラフィータフィー
第四十一話 ユーモアが必要さ、僕らの僕らの間には
「ライブ・ハウス(from 夏の十字架)」ラフィータフィー
第四十二話 何十年ぶりのことだろう、日記をつけてるんだ
「誰も知らない(from 夏の十字架)」ラフィータフィー
第四十三話 武田真治がやってきた
「快適な暮らし(from 夏の十字架)」ラフィータフィー
没原稿その一 フランスの友人とワインに関しての日本人向けのおはなし
没原稿その二 日本国憲法第9条に関して人々はもっと興味を持つべきだ
没原稿その三 忍びの世界
号外 眠れなかった男
「BASEMENT TAPES」BOB DYLAN
絵画開眼 四
瀕死の近況双六・問屋への道
解説 町田康
あとがき 忌野清志郎
特製CD収録曲歌詞&クレジット

sugorokudonya1.jpg

『瀕死の双六問屋』忌野清志郎(光進社)
商品の詳細データを古本ぺんぎん堂で見る    
「瀕死の双六問屋」忌野清志郎
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さてさて。
内容についてですが・・・。

村上春樹のまえがき「遙か暗闇を離れて」

川本三郎のあとがき「ビデオとの遭遇」
のあいだに挟まれた
1920年代から、刊行前の1984年までの
映画(洋画)の中から、
当時、「ビデオで見ることができる」という条件で選ばれた
264本の映画のガイドブックまたはレビュー本です。

あたしもずいぶん、お世話になった(笑)
ほんとはあまりガイドや
〇〇ベスト100とかいう類の本って
さらっと読みはしても、
参考にはしないんだ。
やっぱり、結局、自分が好きな映画は自分でしか
見つけられないんじゃないかと思ってたし。

基本的には、
雑誌や情報誌で、あらすじ見て
おもしろそう、と思うものを観る。
その中で、気に入った俳優さんや監督さんがいたら、
過去作を全部観て・・・
その過程で、また気になる人がいたら、
今度はそれを・・・

まさに「芋づる式」(笑)

まあ、この本を読んだ頃は、
若かったから、一日に2軒映画館はしご、とか平気だったし、
二番館の固いシートで3本立て観るのも苦にならなかったし、
休みの日にビデオ6本とか、さくっと観てたからなー。
もう、手当たり次第って感じも・・・(笑)

それで、新作や近作を見尽くしてしまうと、
当然、少しずつ、古いものへと向かっていくわけで、
そんなときは、この本を開いてみたりした記憶がある。

天上天下唯我独尊とまではいかないが(笑)
特に誰かの真似をしようとも
誰かをお手本にしようとも
思わないタイプの人間なのだけど、
とにかくもう春樹さんのことは
ものすごく愛していたから(笑)
彼の言葉や、文体や、思考やありとあらゆることの
素になったものは
知っておいても損はないかな、と思ってたらしい(笑)
観た後に、もう一度、春樹さんの感想を読んで、
「なるほど」と思うのも楽しかった。

20年以上の月日が過ぎて、
気がついたら、この本はかなりレアものになっていた。
そんで、あたしは、いつのまにか(笑)
古本屋になっていて、
その価値と、探しているお客さまの数の多さを知りながら、
自分の本棚にそれを収めておくことが
ちょっぴり心苦しくなってきたのだ(汗)

小説と違って、いまさらそう何度も読み返す本でもないし、
もしかしたら、誰かをしあわせにできる本を
もう一度、世の中に流通させるのが使命だと普段、思ってるくせに、
けちなコレクター魂で抱え込んでおくのも、どうかなあ・・・
みたいな。

未練タラタラではあるけど(笑)
8割方、店に出してもいいかな、
という気持ちになったから、
この文章を書いています(笑)
でも、読めるのはたぶん、買ってくださった方おひとりだし・・・
古本での流通量が少ないのも変わらないし、
一度手離してしまえば、あたし自身もう手に入らないだろうし、
いつか、店で、春樹さんの全著作リストをつけた総力特集は
やりたいと思っているから、
ある程度のデータは書き残しておきたい(汗)
お役に立てなかった他のお客さま、
この本の内容を知りたいと思っている人のために、
文章を引用するのは無理でも
紹介されてる映画のタイトルの一覧くらい作っとくかなー(悩)
また、ここの記事、ブログにしては信じらんない長さになっちゃうけど(爆)

ねー?書いたほうがいいと思う?

でも、264本だよっ?!

おしえて おじいさん

おしえて アルムの樅の木よ!(笑)


「・・・書いとけば?」
だそうです。(爆)

ではでは、紹介された映画ビデオ作品一覧。
*( )内の=村上さんの執筆、=川本さんの執筆
ちなみに〇印は、あたしが観たもの。

1926→1949

〇メトロポリス(村)
 フランケンシュタイン(村)
 我輩はカモである(村)
 四十二番街(村)
 コンチネンタル(村)
 オペラは踊る(村)
 踊らん哉(村)
〇マルタの鷹(村)
 若草の頃(村)
〇三つ数えろ(村)
 ギルダ(川)
 トミー&ジミー・ドーシー物語(村)
 黄金(村)
 アパッチ砦(村)
〇第三の男(村)
 アダム氏とマダム(川)

1950→1959

〇サンセット大通り(村)
 リオ・グランデの砦(村)
 舞台恐怖症(村)
 イヴの総て(川)
 サムソンとデリラ(川)
〇アフリカの女王(川)
 真昼の決闘(村)
〇雨に唄えば(村)
 静かなる男(村)
 リリー(村)
〇シェーン(村)
〇百万長者と結婚する方法(村)
 アパッチ(村)
 大砂塵(川)
〇七年目の浮気(川)
 野郎どもと女たち(村)
 オクラホマ!(川)
〇理由なき反抗(川)
 征服者(川)
〇俺たちは天使じゃない(川)
 黄金の腕(川)
〇地下水道(村)
〇バス停留所(川)
 禁断の惑星(川)
 捜索者(村)
〇灰とダイアモンド(村)
 監獄ロック(村)
〇死刑台のエレベーター(村)
 OK牧場の決斗(村)
 突撃(村)
 赤い矢(川)
〇手錠のまゝの脱獄(川)
 旅路(川)
〇熱いトタン屋根の猫(川)
 ガンヒルの決斗(村)
〇お熱いのがお好き(川)
 渚にて(川)

1960→1969

〇荒野の七人(村)
〇アパートの鍵貸します(村)
〇サイコ(村)
 光る眼・未知空間の恐怖(川)
 片目のジャック(川)
 エルマー・ガントリー(川)
〇荒馬と女(川)
〇ハスラー(川)
〇ティファニーで朝食を(村)
 ブルー・ハワイ(村)
 草原の輝き(村)
 脱獄(村)
〇アラビアのロレンス(村)
〇水の中のナイフ(村)
 酒とバラの日々(村)
〇ロリータ(村)
〇ハッド(村)
〇女と男のいる舗道(村)
 何がジェーンに起こったか?(川)
 アラバマ物語(川)
 あなただけ今晩は(川)
 イグアナの夜(村)
 その男ゾルバ(村)
 妖女ゴーゴン(川) 
 質屋(川)
 駆逐艦ベッドフォード作戦(村)
〇コレクター(村)
 ダンディー少佐(村)
 シェナンドー河(村)
〇シンシナティ・キッド(川)
〇何かいいことないか仔猫ちゃん(村)
 エル・ドラド(村)
 バージニア・ウルフなんかこわくない(村)
〇動く標的(村)
 恋人よ帰れ!わが胸に(村)
 わが命つきるとも(村)
 プロフェッショナル(村)
 将軍たちの夜(村)
〇ミクロの決死圏(川)
 吸血鬼(村)
 いつも2人で(村)
 裸足で散歩(村)
 夜の大捜査線(川)
〇卒業(川)
〇俺たちに明日はない(川)
〇暴力脱獄(村)
 生ける屍の夜(村)
 愛すれど心さびしく(村)
 おかしな二人(村)
〇猿の惑星(川)
〇ブリット(川)
〇ワイルドバンチ(村)
〇明日に向かって撃て(村)
〇イージー・ライダー(村)
〇真夜中のカーボーイ(村)
 勇気ある追跡(村)
 ひとりぼっちの青春(川)
 くちづけ(村)

1970→1979
〇ウッドストックⅠ・Ⅱ(村)
 ソルジャー・ブルー(村)
 戦略大作戦(村)
〇M★A★S★H(村)
 パットン大戦車団(村)
 おかしな夫婦(川)
〇小さな恋のメロディ(川)
 マーフィーの戦い(村)
〇キャッチ22(川)
 アンドロメダ・・・(村)
〇ダーティハリー(村)
 愛の狩人(村)
 傷だらけの挽歌(村)
 おもいでの夏(川)
〇フレンチコネクション(川)
〇バニシング・ポイント(川)
 コール・ガール(川)
 THX-1138(川)
〇ルードヴィヒ神々の黄昏(村)
〇ウディ・アレンのSEXのすべて(村)
 ロイ・ビーン(川)
 サウンダー(川)
 キャバレー(川)
 激突!(川)
〇ポセイドン・アドベンチャー(川)
 脱出(川)
 サイレント・ランニング(川)
〇スローターハウス5(村)
 シェイマス(村)
〇続・激突!カージャック(川)
 デリンジャー(川)
〇スケアクロウ(川)
〇ウィークエンド・ラブ(川)
〇スティング(川)
〇エクソシスト(川)
〇ペーパー・ムーン(川)
〇悪魔のはらわた(村)
〇アメリカン・グラフティ(村)
〇チャイナタウン(村)
〇華麗なるギャツビー(村)
 サンダーボルト(川)
〇ゴッドファーザーPART2(川)
 フェリーニのアマコルド(川)
 アリスの恋(川)
 悪魔のいけにえ(村)
〇ヤング・フランケンシュタイン(村)
〇ジョーズ(村)
〇アデルの恋の物語(村)
 アイガー・サンクション(村)
〇さらば愛しき女よ(川)
〇キャリー(村)
 愛のメモリー(川)
 ラスト・シューティスト(川)
 大統領の陰謀(川)
 アウトロー(川)
〇地球に落ちてきた男(川)
〇タクシードライバー(川)
 白い家の少女(川)
 ブラック・サンデー(村)
 ローリングサンダー(川)
〇イレイザーヘッド(川)
〇アニー・ホール(川)
 ラビッド(川)
〇ガントレット(川)
〇プリティ・ベビー(村)
〇アニマル・ハウス(村)
〇天国の日々(村)
〇ビッグウェンズデー(村)
 マチルダ(川)
 ハロウィン(川)
〇ディア・ハンター(川)
 デュエリスト(川)
 愛の断層(村)
 コーマ(川)
 戦場(村)
〇地獄の黙示録(村)
〇テス(村)
 ウォリアーズ(村)
〇アルカトラズからの脱出(村)
 悪魔の棲む家(村)
〇ブリキの太鼓(村)
 少年の黒い馬ワイルドブラック(村)
 タイム・アフター・タイム(川)
〇ローズ(川)
〇リトル・ロマンス(川)
 ヤング・ゼネレーション(川)
 ノーマ・レイ(川)

1980→1985

 ブロンコ・ビリー(村)
〇ロング・ライダーズ(村)
〇殺しのドレス(村)
〇グロリア(村)
〇シャイニング(村)
〇ブルースブラザース(村)
 トム・ホーン(村)
 忍冬の花のように(村)
 ザ・フォッグ(村)
 ダーティファイター燃えよ鉄拳(村)
〇アルタードステーツ(村)
〇ある日どこかで(川)
 クルージング(川)
〇レイジング・ブル(川)
〇フェーム(川)
 最前線物語(村)
〇スター・ウォーズ帝国の逆襲(村)
〇天国の門(村)
〇スーパーマン2冒険篇(村)
〇ディーバ(村)
〇針の眼(村)
〇炎のランナー(村)
〇エクスカリバー(村)
〇郵便配達は二度ベルを鳴らす(川)
〇レイダース失われたアーク<聖櫃>(村)
〇マッドマックス2(村)
 ゴースト・ストーリー(村)
〇バンデットQ(川)
 狼男アメリカン(川)
 アトランティック・シティ(川)
〇白いドレスの女(川)
〇レッズ(川)
 ラグタイム(川)
 誓い(村)
 ラゲッディーマン(村)
 センチメンタルアドベンチャー(村)
〇コナン・ザ・グレート(村)
〇ソフィーの選択
 氷壁の女(村)
〇ベストフレンズ(村)
〇ブレードランナー(村)
〇ダイナー(村)
 フィッツカラルド(村)
〇ヴィデオドローム(川)
〇遊星からの物体X(村)
〇ガープの世界(村)
〇ポルターガイスト(村)
 ブルーサンダー(川)
 スター80(村)
 ザ・ローリング・ストーンズ(村)
〇カメレオン・マン(村)
 銀河伝説クルール(村)
〇スカーフェイス(村)
〇フラッシュダンス(村)
〇ランブルフィッシュ(村)
〇ライト・スタッフ(川)
〇バッドボーイズ(川)
〇ホテル・ニューハンプシャー(村)
〇ストリート・オブ・ファイヤー(村)
〇スプラッシュ(村)
〇ハンガー(村)
〇アマデウス(村)
〇グレイストーク/ターザンの伝説(川)

映画ガイドとして役に立つのはもちろん、
春樹さんの前書きの文章が素敵だ。

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「映画をめぐる冒険」村上春樹・川本三郎
(講談社)

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映画をめぐる冒険
あの頃、あたしたちは
消費の海で途方に暮れていた。

あふれかえる情報とモノ。
それらは、なまめかしく、あたしたちを誘った。

ふりかえると、
それは
「カタログの時代」だったんじゃないかと思う。

例えば、服。

貧乏な学生にも
いくらでも働き口はあって、
少し頑張ってバイトをすれば、
デザイナー、キャラクターズ・ブランドの服にさえ、
手を伸ばすことができた。

だけど、
このあいだまで、
学校では制服、家ではジャージ(笑)
休みの日のデートや友人との遊びに
ほんの少し、お洒落する程度の高校生、
百貨店やファッションビルなんて
30分電車に乗らなきゃないような田舎に住んでる高校生
だった若者たちに、
「自分に似合う服」「自分のスタイル」なんて
簡単に自力で見つけられるわけもなく(笑)
「流行」「トレンド」なるものを
教えてくれる雑誌やカタログが
生物や日本史のかわりに、教科書になったのだ。

そして、誰もが「にわか都会生活者」のスタイルを身につけていくと、

服や時計、靴や鞄の次は
「知」がファッションになった。

これはお洒落上級者の
ちょっとひねったアクセサリーの一つでもあったし、
はなから自分を飾るお金もそのつもりもない貧乏学生、
そして真に知識を求める一部の若者にとっても、
自尊心をくすぐる魅力的な装いだった。
カタログやガイドブックを片手に
それぞれの動機で、
結構、真摯に本や映画を一生懸命求めた頃があったのだよ。

この本は、ある意味、
知識や教養さえもカタログ化される、
そんな時代の遺物とも言える。

時を同じくして、
一世を風靡したニュー・アカデミズムの舞台となった
雑誌『パイディア』(竹内書店)を創刊し、
中央公論社に移って、『海』で、塙嘉彦、村松友視とともに伝説的な黄金時代を築き、
売れ行き不振で廃刊直前の『マリ・クレール』
「特集:読書の快楽」で完売させ、以後

「特集〇〇」「~のベスト〇〇」

というかたちの数々の企画やガイドブックを仕掛けた
自称「スーパーエディター」「天才ヤスケン」こと
安原顯(やすはらけん)のプロデュース本だからだ。

まだ、「自らが村上春樹の才能を発掘した」という
ちょっぴりビッグマウスが通用した
安原顯と春樹さんの蜜月時代(つーか普通に親交のあった時代)に
に作られた本。
(後に、突如、ヤスケンは村上春樹批判にまわり、
無断で持ち出した春樹さんの生原稿を古書店に売却するという事件にまで
発展して決別することになるのだが・・・汗)

確かに、素晴らしいひらめきと才能を持つ編集者だったのだと思う。
多くの作家さん(大江健三郎とか)とのトラブルはあったが、
あたしも大好きな、吉本ばなな『TUGUMI』を『マリ・クレール』に連載したこと、
当時は版画家としか知られていなかった山本容子を挿画に起用し、
ベストセラーにした手腕はすごいし、
あたしが愛読していた本も、
彼の手がけたものがいくつかあるし。

たぶん、そういう編集者としての力を持ちながら、
あくまでも他人のプロデュースではなく
自分自身が「書く人」でありたかった彼の葛藤が
様々な不運な出来事を呼び寄せてしまったのかもしれないね。

この「映画をめぐる冒険」
村上龍との対談集「ウォーク ドント ラン」と並んで、

春樹本コレクターの関所と言われるくらいレア本になり、

どれだけ復刊リクエストがあっても
再刊も文庫化もされない、
というのは、この春樹さんとヤスケンの確執?が理由と思われる。

それはとても悲しいことだけど、
春樹さんファンとしては、
映画への思い入れのたっぷり詰まった楽しいこの本を
世に出してくれたことへの感謝もあるから、
なんだか複雑な気持ちだ(泣)

<詳しい内容は後編へ続く>
アンソロジー。

ああ。素敵な響きだ。

でも、それなあに?
って言われたら、
なんて答えたら、いいんだろう?

詩や小説などの文学作品や漫画などを
ジャンル、主題、時代、作者など、特定の基準に添って、選び、集めたもの。


という感じかなあ。

あたしは、大好きです。アンソロジー。

アンソロジーの楽しみは、おおまかに二つあると思うんだ。

ひとつは・・・。
意外な(未知の)作家との出会い。
つまりは、読書の幅を広げる水先案内としての役割かな。

あたしは仕事でも趣味でも、ものすごい量の本を
空気のように水のように摂取してるけど、
それでもまだ、知らない作品がたくさんある。
新しい作品との出会いは
新刊書店や古本屋での理由なき一目惚れもあるし・・・。
意図的に探すなら、
図書館で、タイトルや装幀など、どんな動機であれ、
心惹かれたものを片っ端から読んでみて、
気に入った人の本を全部読んでみる、
なんていう方法があるけど・・・。
このアンソロジーも、かなり有効な手段だ。

もうひとつは・・・。
選者の個性や、テーマを楽しむ。
じゃないかと。

自分が、好きな作家、評論家、編集者が、
読んでお気に入りのもの、影響を受けたもの、高い評価を与えているもの、

やっぱり興味をそそる。

そして、テーマ設定は・・・。
もちろん、「80年代SF傑作選」とか「時代小説傑作選」「ホラー漫画アンソロジー」
なんてタイトルだと、
わかりやすいのはわかりやすい。
でも、普段、自分で好んで選ぶジャンル以外のものに
出会ってみたいと思ったら、
そういうカテゴリーとは別のくくり、も必要だよね?

このジャンルは
どちらかというと海外での方がポピュラーで
日本ではアンソロジーはあまり売れない、という定説があるらしいのだけど、
二つの魅力を兼ね備えたアンソロジーが
日本にもちゃんとあるよ♪

あたしのおすすめは、
日本ペンクラブ編で、日本の当代の人気作家さんが選んだもの。
(古くは集英社刊のシリーズと、
いまは絶版だけど福武文庫のシリーズがある。
選者が魅力的で、あたしもたくさん持ってるし
古本ぺんぎん堂にも、何冊か出してる)

この文藝春秋・編
「アンソロジー人間の情景」(文春文庫)

文藝春秋70周年記念出版の、かなり気合いの入った企画で、
本当に、古今東西の幅広い作品の中から採られていること。
人間の営みから人々の共感を呼びそうなテーマ選び出したことにより、
ジャンルを超えた収録が可能になったことで、
高く評価されていいシリーズだと思う。

今までも、バラでは何冊か店で扱ってきて、
ほとんどがすぐに売れてしまった。

特に、6の「奇妙なはなし」は
出品すると、いつも、即、売り切れ(大汗)
「たんぽぽ娘」(ロバート・F・ヤング/伊藤典夫・訳)
入ってるからなあ・・・。
SFマガジン読者の選んだオールタイム・ベストSF海外短篇部門14位(1989年2月号発表)
プロの作家・評論家、読者による
オールタイム・ベストSF海外短篇部門8位(SFマガジン1998年1月号発表)
に選ばれた作品で、根強い人気があるのに復刊されない。
(海外作品は版権の問題なんかがややこしいのかも)

手に入らない、となると、ますます読んでみたくなるのが人情(笑)
この作品が収録されたアンソロジー
創元推理文庫『年間SF傑作選2』
集英社コバルト文庫『たんぽぽ娘』
ともに絶版で相当に入手困難!(涙)
しかも古書価格はものすごい高額。

「アンソロジー人間の情景6」に入ってることを発見し、
前の二つに較べたら多少は見つかりやすいし、
「たんぽぽ娘」読みたいだけなら、何千円も出さなくてもこれでいいんじゃないの?
古本ぺんぎん堂のおすすめ本として、何度も出品してきて、
店で一番人気を誇る本だ。
(現在は品切れ中。見つけたら出します。)

でも、これだけじゃなく、他の短編もすごく面白い。
もちろん、他の巻にも、

「おおっ」と唸るような渋い作品、エッジの効いた作品、心がほっこりするような作品
がたくさん入っているから、

短編小説が好きな人、
何かおもしろい本ないかな、と思ってる人、
普段、自分では買わないタイプの作品もたまには読んでみたいな、という人、

には、おすすめだ。

今回、店で、このシリーズを全巻セットで入手、出品することができたから、
単に売るだけじゃなくて、
店の商品情報を、

『本好きの人のためのデータベース』

としても活用してほしい、
と思ってるあたしは、全収録作品リストの作成を思い立ったわけです(笑)
これ、売っちゃったら、もう二度目はないかもしれないし(笑)

って、ことで、1冊1冊についてのブックレヴューまでは無理だけど(収録作多すぎて。汗)
各巻の収録作品と、出版社による内容紹介書影は、なんとか全部、載せてみるね。

anthology1

■アンソロジー人間の情景1『運命の法則』(1992年9月10日発行)
<一国の大臣を死に追いこんだ言葉、偶然がかさなって死刑になる男、敗戦で没落していく名家、
好運な者だけが生き残れる戦場での日々、復讐の機会を待ち続けた男・・・。皮肉なめぐりあわせ、風変わりな生涯、謎の死など、人の世の運命にひそむ不思議さをテーマに古今東西の傑作短篇の数々を収録した豪華アンソロジー>

Ⅰ・霧のかなたに
『四つの文字 (或る自殺者)』林房雄
『西太后の壺』吉屋信子
『勝負事』菊池寛

Ⅱ・予期せぬ終末
『ある殺人犯の告白』サキ
『マテオ・ファルコネ』プロスペル・メリメ
『身投げ救助業』菊池寛

Ⅲ・生のさなかで
『悟浄歎異―沙門悟浄の手記―』中島敦
『とうがらし』獅子文六
『見晴らし茶屋』井伏鱒二

IV・翻弄されて
『燕』伊藤永之介
『蟻(しびれ)』ボリス・ヴィアン
『追儺』森鴎外
『運命のネクタイ』阿部知二

V・決断の一瞬
『空飛ぶ騎手』アンブローズ・ビアス
『その一発』アレクサンドル・プーシキン
『形』菊池寛

VI・神様の失敗
『朝霧』永井龍男
『ほんもの』ヘンリー・ジェイムズ

anthology2.jpg

■アンソロジー人間の情景2『おんなの領分』(1992年10月10日発行)
<忘れえぬ美女、謎の少女、娼婦の迫力、女スリの悲哀、大和ナデシコの大奮闘、妙に色っぽい人妻、黒衣をまとった尼・・・。
永井荷風、太宰治、久生十蘭、林芙美子からチェーホフ、モーパッサンまで、さまざまなタイプの女性を描いた古今東西の傑作短篇が大集合。女性の魅力を伝えるちょっと皮肉なアンソロジー> 

I・かわいい女
『美女』アントン・チェーホフ
『恥』太宰治
『モンテカルロの下着』久生十蘭
『じねんじょ』三浦哲郎

II・あやうい時間
『足にさわった女』澤田撫松
『人妻』永井荷風
『花束』十一谷義三郎

III・悲劇の予感
『初代の女』飯沢匡
『さかだち』柴田錬三郎
『待っている女』山川方夫
『かなしき女王』フィオナ・マクラウド

IV・変幻自在
『雨』北原武夫
『黒髪』大岡昇平
『嫉妬について (「話のたね」より)』池田弥三郎

V・女か蛇か
『蛇』ジョン・スタインベック
『二十九号の寝台』ギイ・ド・モーパッサン
『髪結いのおとら (「凡愚列伝」より)』長谷川如是閑

VI・かかってきなさい
『三人の肥った女』W・サマセット・モーム
『晩菊』林芙美子
『風変りな女 (「話のたね」より)』池田弥三郎

anthology3.jpg

■アンソロジー人間の情景3『愛の迷宮』(1992年11月10日発行)
<八十年前に生きていた娘に恋した青年、故郷を訪れて見つけた昔書いた恋文、十五年ぶりに会った男女の束の間の逢瀬。野上弥生子、福永武彦、菊池寛からグリーン、ハーディまで、男と女のせつない出会いと別れ、夫婦の怖さ滑楕さを描く古今東西の傑作短篇を多数収録。愛されるより愛したくなる好アンソロジー>

I・忘れないで
『愛の手紙』ジャック・フィニイ
『あなたの最も好きな場所』福永武彦
『無邪気』グレアム・グリーン
『神います 』川端康成
『金糸雀 』川端康成

II・止まった時計
『ある恋の話』菊池寛
『六の宮の姫君』芥川龍之介
『言葉のはなし』宇野信夫

III・屋根の下の他人
『妻ゆえに』トマス・ハーディ
『あばずれ女の亭主が歌った』中原中也
『ソラキガエシ』真鍋呉夫
『正直な夫』伊藤整

IV・大目にみてよ
『堯舜』石川淳
『亭主素描』阿川弘之
『せけんばなし』宇野信夫

V・せつない話
『二つの部屋』田畑修一郎
『小指』堤千代
『帰宅』(Le Retour) シャルル=ルイ・フィリップ(Charles-Louis Philippe)

VI・終焉のとき
『茶料理』野上弥生子
『祭の夜の出来事』加藤武雄

anthology4.jpg
 
■アンソロジー人間の情景4『こんな人たち』 (1992年12月10日発行)
<天才、凡才、奇人、変人、小市民。まったく世の中は面白い人間でいっぱいだ。家賃を踏み倒して平然としているヤツ、やたらにおせっかいなヤツ、禁酒宣言しておいてやはり飲んでしまうヤツ。
鴎外から作曲家ヴァーグナーの異色作まで、さまざまな人間の生態を描いた短篇が大集合。本で人間ウォッチング>

I・ちょっとばかりヘンな人
『人の棲家』平林たい子
『自由の館』リング・ラードナー
『サウンド・オブ・ミュージック』 和田 誠

II・天才のかなしみ
『ベートーヴェンまいり』ワグナー
『本気で打ってもよろしいか』田村竜騎兵
『田楽豆腐』森鴎外

III・町角の風景
『たばこ娘』源氏鶏太
『一年の計』佐々木邦
『重兵衛さんの一家』寺田寅彦

IV・ふしぎな世渡り
『ある本の物語』リチャード・ミドルトン
『女ペテン師ザビーネの冒険』種村季弘

V・人は見かけに・・・
『サムの新弟子』ジョンストン・マッカレー
『とんかつ』三浦哲郎
『殿様はクーデターがお好き』浅羽通明

VI・奇人でわるいか
『明治奇人伝 (抄)』風見章
『福翁自伝 (抄)』福沢諭吉

anthology5.jpg

■アンソロジー人間の情景5 『人生の達人』(1993年1月10日発行)
<大事に生きてもたかだか数十年の寿命なのですが、これでどうしてどうして、なにをやってもうまくゆく人とドジばかり踏む人とどうも公平ではないもののようで。東西の傑作短驚に登場する変な人、のんびりした人、ズレている人、しぶとい人、ケチな人、陽気な人、なんだか愉快で味のある人たちをご鑑賞下さい>

I・女は天才である
『視界ゼロ飛行』藤原審爾
『あばばばば』芥川龍之介
『女だけの世界』コーリイ・フォード

II・一筋縄でいかないぞ
『置土産』正岡容
『閻魔堂橋』宇野信夫
『江戸川柳の鑑賞とその味(抄)』川上三太郎

III・その手は食いません
『ボヤキの大岡』尾崎一雄
『イカリの尾崎』大岡昇平
『投了の芸術(抄)』中山典之

IV・なかなかうまくゆかなくて
『ヴレイ』ロバート・ルイス・スティーヴンスン
『秋山小助』北原白秋
『男だけの世界』コーリイ・フォード

V・気楽にやろうよ
『ビクスビイ夫人と大佐のコート』ロアルド・ダール
『ボートの三人男』ジェローム・K・ジェローム
『冷や飯に沢庵』子母沢寛

VI・ちょっとばかりごめんなさい
『黒い煎餅』阿川弘之
『泥酔懺悔』獅子文六
『ひと我らを酒乱の徒と罵れど』野坂昭如&長部日出雄
『じいさんの酒のんで』阪田寛夫 
 
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■アンソロジー人間の情景6『奇妙なはなし』(1993年2月10日発行)
<不思議な少女の訪れで一人暮しの未亡人の生活は一変して・・・。すさまじい空襲のさ中、防空壕の中で会った美女はどこに消えたのか。本当の恐怖は、平凡な日常の中にこそひそんでいる。カポーティー、江戸川乱歩、澁澤龍彦、夢野久作、半村良など、奇妙な味わいをもつ古今東西の傑作短篇を多数収録したアンソロジー。>

I・日常の隙間
『ミリアム』トルーマン・カポーティ
『足あと』カレル・チャペック
『魔物』 中山義秀

II・時空を越えて
『過去への電話』福島正実
『たんぽぽ娘』ロバート・F・ヤング
『沼』芥川龍之介

III・悪夢の迷路
『人面疽』 谷崎潤一郎
『死人の村』ラドヤード・キップリング
『蛇』夏目漱石

IV・もう一つの世界
『エル・ドラドオ』香山滋
『時間をかけた料理』津山紘一
『猫町紀行』つげ義春
『簟笥』半村良

V・消えた人々
『防空壕』江戸川乱歩
『沼のほとり』豊島与志雄
『セメント樽の中の手紙』葉山嘉樹

VI・絶対絶命
『穴の底』伊藤人誉
『花妖記』渋澤龍彦
『空中』夢野久作
 
anthology7.jpg

■アンソロジー人間の情景7 『別れのとき』(1993年3月10日発行)
<愛別、離別、そして死・・・。人間にはさまざまな素晴らしい出会いがあり、それゆえまたさまざまな別れも経験する。太宰治、田中英光、大彿次郎、坂口安吾、室生犀星からモーパッサン、ポーそして落語にいたるまで、感銘深い別れの諸相を描いた古今東西の傑作短篇を集めて贈る。終り良ければすべて良し。>

I・さようならなくてはならぬ故・・・
『さようなら』田中英光
『駈込み訴え』太宰治
『磯』竹山道雄

II・その瞬間
『詩人』大佛次郎
『赤い死の舞踏会』エドガー・アラン・ポオ
『最後の夕やけ』谷川俊太郎
『遠い友よ』蔵原伸二郎

III・楽しくやろうよ
『村のひと騒ぎ』坂口安吾
『地獄八景 (抄)』桂米朝
『UFOの夢』龍胆寺雄
『気違いお茶会 ―麻布の紅茶』種村季弘

IV・愛する者と
『宝石』ギイ・ド・モーパッサン
『旅の終り』辻邦生
『音楽時計』室生犀星

V・追いつめられて
『生命の掟』ジャック・ロンドン
『レマン湖畔の悲劇』シュテファン・ツヴァイク
『死相』芥川龍之介
『古い長持』城昌幸

VI・幕をひくとき
『尻の穴』高見順
『最後の接吻』ナディーン・ゴーディマー
『死を悼む言葉』夏目漱石ほか
『三山居士』夏目漱石
『葬儀記』芥川龍之介
『弔辞』菊池寛
『菊池寛弔辞』川端康成
『川端さんの死に就いて』丹羽文雄
『挽歌「シムベリン」より』ウイリアム・シェイクスピア
『なにもないねこ』別役実
『勸酒』于武陵
 
anthology8.jpg

■アンソロジー人間の情景8 『動物との日々』(1993年4月10日発行)
<厳しい自然界、人間と暮らす日常、謎と幻想の世界のなかで、動物たちは心温まる幸福な日々や、信じ難いほどシビアなドラマを繰り広げる。オーウェル、シチェドリン、魯迅から内田百聞、井伏鱒二、戸川幸夫、開高健、小川国夫まで、動物たちと人々が共に生きるかけがえのない日々を描く古今東西の傑作短篇集。>

Ⅰ・夢のように
『猫の子』ヘンリー・スレッサー
『悲恋』 岸田今日子
『おさる日記』和田誠
『魚病』吉田知子
『一角獣』ライナー・マリーア・リルケ

II・手のかかる隣人
『スカンク戦争』H・M・バットン
『にしき蛇』高橋峯吉
『まずミミズを釣ること』開高 健
『話のたねより 前篇』池田弥三郎

III・謎への接近
『仏法僧』戸川幸夫
『スプリングフィールドの狐』アーネスト・シートン
『話のたねより 後篇』池田弥三郎

Ⅳ・私に殺すなというのか
『象を撃つ』ジョージ・オーウェル
『哀れな狼』シチェドリン
『火喰鳥』小川国夫
『「良寛詩集」より』良寛

V・人のなかで
『犬の仔』井伏鱒二
『リスを育てる』中西悟堂
『兔と猫』魯迅
『あひるの喜劇』魯迅
『我猫記』木村荘八
『私の猫達』木村荘八
『お通夜の猫』大佛次郎
『ここに人あり』大佛次郎
『海亀』近藤啓太郎

VI・あなたが頼り
『猫の耳の秋風』内田百
『引越という難問に出会って』高田宏
『猫と手袋』阿部昭

「アンソロジー人間の情景」文藝春秋・編(文春文庫)

商品の詳細データを古本ぺんぎん堂で見る    
アンソロジー人間の情景<全8巻>

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌

ある意味、最も怒りを覚えた本・オブ・ザ・イヤー(汗)

ある日、電車内で痴漢に間違われて逮捕され、
警察、検察での理不尽な取調べ、裁判の末、1年6ヶ月の実刑に処された著者が
刑事裁判の恐るべき現実を綴った衝撃の冤罪日記。

映画監督・周防正行の最新作『それでもボクはやってない』(07年1月公開)は
お父さんはやってない」(矢田部孝司・矢田部あつ子/太田出版)で
語られている痴漢冤罪事件がきっかけといわれているが
この「彼女は嘘をついている」の小泉さんの事件への怒りが
さらに大きなモチベーションになっている気がした。
痴漢冤罪事件で加害者にされてしまった著者自身が綴った手記は
矢田部さんのもののほかに
ぼくは痴漢じゃない!冤罪事件643日の記録」(鈴木健夫/新潮社)があって
矢田部さん、鈴木さんの著作も
あまりにもひどい警察、検察、裁判所の実態が
浮き彫りにされているけど
その理不尽な日本の司法制度と闘い
有罪から逆転無罪を勝ち取ったのに対し
小泉さんの本は実刑判決まで受けて服役した後に書かれたものだからだ。

<映画にして、この怒りを多くの人に伝えたい
日本の司法制度に対する疑問を投げかけたい>
そういう周防監督と同じ怒りを
あたしも確かに感じたのだ。

もう、今までにないほど、強く。

ひとつは・・・
痴漢」という行為への怒り。
ストーカー、セクハラ、盗撮、強姦などの性犯罪もしかり。
歪んだ欲望だけで、異性の心や身体を傷つける行為は
最も卑劣な犯罪だということを知って欲しい。

異性の体にさわりたいなら
合コン行って、恋人つくれ。
恋愛が無理なら見合いしろ。
それもだめなら、風俗へ行け。


個人的には風俗を認めたくない気持ちはあるけど
それは合法で、需要と供給で成り立つ世界で
どんな欲望も金銭を対価として認めてもらえるんだよ?
その金を惜しんで、望んでもいない相手を傷つける権利がいったい誰にあるというんだ?

減るもんじゃないだろ?」ってか?!

減るんだよ!!

好きな人、大事な人にだけに許したい「純情」「純潔」が!!
そして、その安易な「なでなで」が
許しがたい行為に敏感になってる人々の気持ちを逆撫でして
何もしてないのに冤罪を受ける不幸な人間の連鎖を作ったことを
心から、悔いてほしいよ(涙)

ひとつは・・・
「被害者」という名の犯罪者への怒り。
痴漢被害にあったという人のほとんどが
女性だと思うから
あえて、女性を想定して言うけど・・・
もしも。その事件が
なんとなく、電車で近くにいたおっさんがむかついたから、とか
さわられてはないけど、酔っ払いにからまれて嫌だったからとか
ほとんどの男が面倒を回避するために示談を選ぶのをみこして数万の金を詐取するためとか
遅刻の言い訳に「痴漢にあった」と言ってしまってひっこみがつかなくなったとか
(小泉さんの事件は、この理由だと思われる)
痴漢にあったのは事実だが
それをしたのがあなたが「痴漢です!」と言った人物だと
確信できる状況でない、曖昧な推定による告発とか・・・
なら
あなたのしたことは犯罪だよ?
一人の人間を社会的に抹殺するに等しい冤罪は
ほんとの殺人と大差ない、とんでもない出来事なんだぞ、当事者には。
それは、間違って犯人にされた人だけでなく
今まで、痴漢にあって、それを言えずに
泣き寝入りしてきた、すべての女性と
勇気を持って、訴えた女性たちへの冒涜でもあることを知ってる?

過去の様々な事例があったから
痴漢事件が被害として犯罪として
きちんと認められるようになり
女性専用車両の導入などの予防策もとられるようになった。
そこにいきつくまでには
つらい思いをした女性たちの犠牲があったことをわかってる?
普通にお洒落を楽しんでるだけなのに
隙がある、挑発的な格好をしているから被害にあうんだ
と心の痛みを認めてもらえなかった人もいるだろうし
思い出すだけで嫌な出来事を
事情聴取や裁判で、何度も何度も話さなければならなかった被害者のことを
あなたは考えたことがあるのかな?

そして最後に・・・
日本の司法制度への怒り。
これが一番大きい。
かよわい女性の訴えをできるかぎり認めよう
という志はありがたい。
実は、あたしも数回、痴漢の被害にあったことがあるから。
でも、その訴えのすべてが真実だと断定するには
一人の男性を犯罪の加害者として罪を問うには
それなりの手続きがあってしかるべきじゃないのですか?
今の世の中は、あなたたちが思う以上に病んでいる。
たいした理由もなく、人に冤罪を背負わせて平気な人間がいるという
悲しい事実に対する認識に欠けてませんか?
言ったもの勝ち
始めから結論の決まっている起訴・裁判に対する不信感に
いい加減気付いてはくれないかな?
調べる側、裁く側の予断でベルトコンベア式
犯罪者にしたてあげられた人の
人権はいったいどうなるんでしょう?

この種の痴漢冤罪事件に対して世の中の男性の反応が
「無実でも無罪とはかぎらない。明日はわが身。
精一杯、疑われないためには・・・
男はみんなバンザイ通勤!
他国に移住!
無罪を主張し続けるコスト(時間や裁判にかかる費用)は限りなく高くつくから
無実でもあっさり認めて数万円の慰謝料での示談ですますのが得策!」
なんていう発言があふれる世の中が
本当に正しいのですか?

かわいそうすぎる・・・・

冤罪の当事者のほとんどは
いくら無罪になっても
もとの職場に居辛くなって退職を余儀なくされたり
無罪と認められたのに事件の当事者として疑いをかけられたという事実だけで
肩身の狭い思いをしてるというのに・・・

国民による「裁判員制度」を目前にして
もっともっと司法について知りたいと切実に思った。
正しい判断のできる人間でありたい。
本来、国民をしあわせにするための立法・司法・行政が
その役割を全うしていないとしたら
それを正していくのが国民の義務であると思うのに
そうできない今のシステムは変えていかないといけないんじゃないか?

様々なことを考えさせてくれたことに対して
心から感謝します。
願わくは、
この本を読む限り、疑わしいところのない小泉さんの
無実が立証されますように・・・
勇気ある人間の名誉が回復されますように・・・

ただ、やってないからやってないと
主張しただけの人が
長きにわたって
つらい思いをすることがないようにって思いました。
多くの人がこの経験を共有してくれたらうれしいと・・・

9784163687001.jpg

「彼女は嘘をついている」小泉知樹(文藝春秋)

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌

うーん・・・
見てるだけで楽しい本。

・・・いや・・・
内容が内容だけに
楽しい、とか言うと、また変な人なのか?あたし(汗)

でも、本当に
読後感は、とても、あたたかく優しく楽しいものだったよ?

まずは本のコンセプトに拍手。

誰かのお葬式だとか、
動かなくなったハムスターの感触だとか
映画やニュース、本で読んだ話などを
つなぎ合わせて、
たぶんこれが死なんだろうと、
わかったふりをしていますが、
正直なところ、僕は死が、
さっぱりわからない。
この本では、死とはどんなカタチで、
いつ、どこで、どのように、あるのか。
子ども時代を入り口に、とにかく、絵にして、並べて、
それから考える。
そんなふうに、死を見ていこうと思います。
(「はじめに」より)


と著者の語るように
「死ぬってなに?」という素朴な疑問を、
絵で考えた、新しい「死の本」だ。

各宗教、各地域に伝わる死後の行方、
いつ死ぬのか、死の原因、
実在の人物や映画・小説等の登場人物の死に方、
どうやって死に向かうか
ということが
JTの広告「大人たばこ養成講座」でも有名な
寄藤文平さんのポップでシュールでユニークなイラストで

これでもかっ!(笑)

というくらい豊富に紹介されている。
まさにカタログ。
死亡原因の統計とか死亡場所などは
イラストをまじえたグラフにすることで
ものすごく理解しやすいレイアウトになっていて
さらっと読める割にデータの量はかなりのものだ。
これだけの「死」に関するデータを
個人で調べるとなると
相当な数の本を読まなきゃならない。
ライトな雰囲気とは裏腹に
ぎっしりと中身は濃い。

深刻すぎず、ネガティブでもなく
説教くさくも、慰めっぽくもなく
自分自身も「死」について考えるために
様々な材料を
ただ、明るく、ぽーん
事実として提示する
という、この本の企画がまず、
いいなあ・・・
と素直に思った。

「死」は、冗談のように、弄んでいいものじゃない。
それは、当然だ。
特に身近な大切な人と「死」によって
分かたれたばかりの人の前では
危険物並みに取り扱いに注意が必要だと思う。
だけど、「死」について語ることを
暗い」とか「重い」とか
そんなひと言で片付けたり
なんだか、嫌なもののように隅っこに追いやったりするのも

なんか、違う

と、あたしは思うんだけどな。

だって、国籍、性別、宗教、貧富の差、身体能力などいろんなことで
人の人生は違ってくる。
幸福も不幸も、全部、それぞれにかたちが違う。
誰一人として、同じ人生を生きる人はいない。
そんな中で、唯一、人間に等しく訪れるのが「死」
たった一つだけ、誰もが共有できる「体験」じゃないのかな?

確かに、「死」には
生物にとって漠然とした恐怖を伴うものであり
できたら、考えずに済ませたいもののひとつではあるかもしれない。
でも、いつか必ず訪れるものなら
ちょっと軽く(笑)慣れとく、
っていうか
そこんとこ、ほんとはどうなのよ?
っていうのを
少しイメージトレーニングしてみたりとかいうのは

楽しく「生きる」ためにも

案外、必要なことなんじゃないかと
ぺんは思ったりする。
備えあれば愁いなし、って言うしさ(笑)

そういう意味で
気軽に、ときに真面目に
「死」について考えるきっかけを与えてくれる、この本は
すごく役に立ったし、面白かった。

個々の内容では
国や文化による死の受け止め方の違いを描いた
死のカタチ」が
とても、興味深かったよう!
「死んだらどうなるのか?」
それぞれの地域でどのように考えられてるのか、
ってことなんだけど・・・
よく知られてる「輪廻転生」や
「地獄に墜ちる」「霊(魂)になる」のようなものから
科学的な視点から
「食物連鎖」の環のなかで栄養として循環したり
臓器移植などによって、他人の身体になったり
なぜかよくわからないが(笑)
コオロギになったりハエになったりする国もあるし
死者は近所の島に行って普通に暮らし
またそこで死んだら、胎児になって
元の島に戻ってくる、という
すごく平和で楽しそうなのもあり
逆に死んだら、完全に最初から「いなかったこと」に
されてしまう、なんだか悲しい思想もある

また
古今東西の人物が死ぬまでのストーリーを書いた
死のものがたり」では
実在の歴史上の人物だけでなく
小説や漫画、絵本、映画などの登場人物
(人間じゃないものも含む)の「死」が
1コマのイラストで端的に表現されていて
ツボにはまると笑いが止まらなくなる。
「太陽にほえろ!」のジーパンとか。
「北斗の拳」のラオウとか。

ごんぎつね」が最高に可愛い・・・(涙)

39127-4.jpg

「死にカタログ」寄藤文平(大和書房)

寄藤文平の本
「死にカタログ」

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌

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ぺんぺん

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