絵本って
ほんとに楽しい。
子どもに読み聞かせてあげるため
また、自分が楽しむために
よい絵本を探している人は多いと思うんだけど、
近くの小さな書店にはあまり児童書がない
とか
図書館のは、もう借りつくしてしまったよう(泣)
という人が
新しい絵本に出会うには
どうしたら、いいのか?こういう書評やブックレビューを
「
絵本」にしぼって調べるのもあり、だろうし・・・
時々、ムックや雑誌に登場する
「
わたしの好きな絵本」のような特集や
ブックガイドを参考にするのもいいかも。
あたしは、仕事柄、とにかく手にとってみる派ですが(笑)
たくさんの本や著者を紹介してあるブックガイドは
調べもの用含め、あると便利。
このマーブルトロン社の
マーブルブックス(発売は中央公論新社)は
セレクトもセンスもデザインもなかなか素敵な本が多く
お気に入り。
この「
私が1ばん好きな絵本3<海外の絵本150選>」は
愛と孤独を知る絵本/グラフィカルな絵本/ガーリー絵本
/ラブ&ピースな絵本/気になる東欧・北欧の絵本/大切な人にプレゼントしたい絵本
など、翻訳モノを中心に厳選した海外作家の絵本を
シーン別に紹介した
ガイドブックだ。
(同じシリーズに「
日本の絵本150選」もある)
版元品切れの本だけど、
昨年、日本編、海外編を合わせた愛蔵版が
「絵本、大好き!」として刊行されたので、
こちらはまだ入手可能。
今回は、この本自体の紹介というより
海外の絵本150選の中から、
ぺんも好きなものについて
少し書いてみようかな、と。
まずは。
「あおくんときいろちゃん」作・絵 レオ・レオニ(至光社)
あおくんと
きいろちゃんは、とってもなかよし。
ある日あおくんのママは、あおくんにお留守番を頼んでお買い物に。
あおくんはきいろちゃんと遊びたくて家を出て
あちこち探しますがきいろちゃんはいません。
とうとう街角でばったりきいろちゃんと出会いました。
あおくんときいろちゃんは嬉しくてくっつき・・・
みどりちゃんになってしまいます。
遊びつかれて家に帰りますが、
みどりになったふたりは「
うちのこじゃない」と言われてしまいます。
あおくんときいろちゃんは泣いて、泣いて、
ふたりは全部
涙になってしまいます。
あおの涙はあおくんに、きいろの涙はきいろちゃんになりました。
あおくんのパパやママはあおくんが帰ってきて大喜び。
喜んできいろちゃんを抱き上げると・・・みどりになりました。
おとなたちはそれを見ていきさつを理解しました。
そして、みんなで抱き合って・・・みどりになって・・・
喜びを分かち合うのでした。
レオ・レオニさんがお孫さんのために作った絵本。
様々な楽しみ方ができるのがロングセラーの理由。
子どもに色の概念を教える教育的絵本と見る人もいるだろうし
仲良くすることのすばらしさを素直に楽しむもよし
恋愛中の人には、愛の絵本として読める。
深読みすれば、この
色は
人種、宗教、思想信条などにも置き換えることができ、
融和、協調への願いとも取れる。
いろんな意味で
LOVE&PEACEな絵本。
ブラヴォ。
「てぶくろ」ウクライナ民話
絵: エウゲーニー・M・ラチョフ
訳: 内田 莉莎子
(福音館書店)
雪の降る森の中、
子犬と歩いていたおじいさんが手袋を片方落とす。
冷たい雪の上に落ちた、あたたかそうな
ふかふかの手袋に、
「ここで暮らすことにするわ」
と最初に入ったのは
ねずみ。
次々と集まってくる動物たち。
「中にいるのは誰?」
「入れて?」
「どうぞ」のくりかえしだが
テンポがあって、おもしろい。
自分も手袋の住人になった気分(笑)
かえる。うさぎ。きつね。おおかみ。いのしし。「入れて」と、やってくる動物が
どんどん大きくなっていって
「だめだよおお、もう入らないよー!!」と叫びたくなるが、なぜか入っちゃう(笑)
最後は、
くま。無理っ!無理ってば!
でも、入っちゃったねえ(笑)
ありえないけど、楽しいのだ。
住人が増えるにつれて、
はしごが付いたり窓が出来たり改装されていく
手袋ハウス(笑)の微妙な進化が楽しめる。
このお話は、民話だから、
言い回しや絵の違う複数の絵本が存在するが、
ウクライナ的な民族衣装風のデザイン、色彩は
日本の絵本には、ない感じで、とても素敵だから
この
ラチョフ画の絵本が、あたしは一番好きだ。
「さむがりやのサンタ」 作・絵:レイモンド・ブリッグズ
訳:すがはら ひろくに
(福音館書店)
ベッドの中で熟睡するサンタのおじいさん。
常夏のビーチでくつろぐ夢の途中で目覚まし時計に
起こされる。
「やれやれ、またクリスマスか!」コミックのようなコマ割りで、
サンタクロースの一年で一番忙しい一日を
ユーモアたっぷりに描いたクリスマス絵本。
物語らしい物語はないのだけど、
狭い煙突に文句を言ったり、
サンタの衣裳の下に、ももひきをはいたり(笑)
食事を作ったり、一杯やったり、一休みしたり、
そんな人間味あふれるサンタの姿に
笑いがこみあげる。
緻密に描かれた、生活や町の描写は何度見てもあきない。
あたしも小さい頃、読んだときは
起きぬけにサンタさん入れるあったかいミルクティや
卵とベーコンの朝食、クリスマスのごちそうや
大きなツリーや煙突のあるおうち、など
イギリスの生活の一端に触れて、
すごく憧れたよお!
それに、いまひとつサンタというものに
イメージや実感のわかなかった日本の田舎の子どもには
普通のまわりの大人の人みたいに
ちょっぴり文句も言いながら、
魔法みたいにじゃなく、お仕事として
一生懸命、プレゼントを運ぶサンタさんは
はじめて、リアルな存在として感じられ、
ますますクリスマスが楽しみになった気がする。
大人も子どもも一緒に楽しめる本。
「しろいうさぎとくろいうさぎ」 作・絵: ガース・ウイリアムズ
訳: 松岡 享子
出版社: 福音館書店
二ひきのちいさなうさぎが、
ひろいもりのなかに、住んでいました。
二ひきは毎日、楽しく遊んでいましたが
ときおり、くろいうさぎは。とても悲しそうな顔をします。
どうしたのか訊ねるしろうさぎに、
くろうさぎは言います。
「ぼく、ねがいごとをしているんだよ。
いつも いつも、いつまでも、
きみといっしょにいられますようにってさ。」大好きな相手がいなくなったらどうしよう
という不安。
ずっと一緒にいるには、どうしたらいいのか?
二ひきは手を握り合い、
たんぽぽの花を摘んで耳にさす。
他のうさぎたちや、
森に住む動物達がやってきて、
月の光の中で結婚式のダンスを踊る。
そうかあああ!
結婚って、こういうことなんだ!ものすごくシンプルな愛のかたちに
子どもは素直に納得し、
大人は、なんだか
胸がきゅううっとなる。
あたしの幼少時のお気に入りであったけど、
大人になって読み返すと、また違う感慨が。
プロポーズのときに送る人がいる
というのもうなずける。
そして、物語と共に素晴らしいのはウィリアムズの絵だ。
しろいうさぎとくろいうさぎのやさしい愛の物語が
墨絵のような濃淡でやわらかく語られる。
子どもの好きそうな、明るく、くっきりした色でなく
白と黒を基調にした抑えた色彩で描かれた二ひきのうさぎは
ふわふわの手触りまで感じられそうなほど可愛くて
その静かな色合いの中に映える黄色いたんぽぽの美しさは
切なくなるほど。
「ふくろうくん」 作・絵: アーノルド・ローベル
訳: 三木 卓
(文化出版局)
お人好しで、ちょっとおっちょこちょいでやさしい、
ひとり暮しの
ふくろうくんの日常を描いた、
なんともいえないほのぼのとしたお話。
寒い夜にやってきた「ふゆくん」の大暴れ。(
おきゃくさま)
ベッドに入って寝ようとしたら、足元にある
ふたつのこんもりしたものが気になって眠れないふくろうくん。(
こんもりおやま)
いろんな悲しいことを思い出し、やかんにためた涙で入れた紅茶を
美味しそうに飲むふくろうくん。(
なみだのおちゃ)
二階建ての家の1階にいるときは、上が気になり
2階にいるときは、下が気になり
なんとか上と下に同時に存在できないかと
階段を走りまわるふくろうくん。(
うえとした)
追いかけてくるお月さま。(
おつきさま)
いろんな不思議を真剣に悩み考える様子は、
なんとなく
小さい子どもの興味のあり方に似てる。
大人には、当然のことでも、日常の中には
子どもにとっての
ミステリーがいっぱい。
あれこれ話しながら、一緒に面白がってあげればいいんだ。
そんな楽しい気持ちを、ふくろうくんは教えてくれる。
ユーモラスな絵と三木卓さんの訳も秀逸。
私が1ばん好きな絵本3<海外の絵本150選>(マーブルブックス13)
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「私が1ばん好きな絵本3<海外の絵本150選>」
「てぶくろ」
「さむがりやのサンタ」
「ふくろうくん」SOLDOUT
(ローベルのほかの本「どろんここぶた」)