生涯一書痴! 病高じて古本屋の店主になってしまった、ぺんぺんの読書日記です。書評ってほど偉そうなものではないですが(汗)読んで楽しかった本、いろいろ考えた本を紹介したいです
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お気に入りの絵本が今日売れました。
復刊リクエストも多い
結構、レアもので、手に入ったら、また出品するけど
しばらく会えないかもしれないから
内容を忘れないように、餞のレビューを書いておこう(笑)
お客さまに愛されて何度も読んでもらうんだよ。

山のふもとの荒地を耕してささやかに暮らす老夫婦。
ある日、ふたりの畑に、ももいろの芽みどりいろの芽が出て、
その芽が育って生った金の瓜と銀の豆から、
なんと可愛い男の子と女の子が現れる。

金の瓜銀の豆2


チン・クワル(金瓜児)と名付けられた兄と
イン・トオル(銀豆児)と名付けられた妹は
健やかに育って、おじいさんおばあさんを助けて、よく働き、
荒地は豊かな果樹園に。
そこを通りがかった欲深い地主・李は
美しい果樹園を我が物にしようと
「ここは元々、自分の土地だから、今までの年貢として
金銀それぞれ十両を払え」
との無理難題。
おじいさんおばあさんを助けるため
クワルとトオルは、金銀の眠るという金庫山に向かい・・・。

お話は、正統派の勧善懲悪モノで
すかっ!とした読後感。

瓜や豆から、子どもが生まれる
という、「桃太郎」や「かぐや姫」みたいな昔話が
中国にもあるんだ!!
と、びっくり(笑)
よく考えたら、昔の日本文化は
大陸から渡ってきたものが多いから
そういう物語があっても不思議じゃないんだけど(笑)

わかりやすく単純な物語でありながら
この本が、とても印象的なのは
やはり、日本の絵本とは違う
中国的な鮮やかな色彩と独特の雰囲気だろうか。

金の瓜銀の豆


切り絵のような、くっきりした描線に
原色ではない淡い色でも
妙に鮮烈に見える色の取り合わせ。

中華街のお土産もの屋さんに迷い込んだような

わくわくした気持ちになる。

アジアの国でありながら
生活や文化の面で
西洋の影響が強い日本。
出版される海外の物語や絵本も
アメリカやヨーロッパのものが圧倒的に多いと思うけど
起源を同じくする、どこか懐かしい物語
逆に新鮮な絵柄や色彩
アジアの絵本を
もっともっと読みたいし、
お客さまにも紹介していきたいな、
と思う古本ぺんぎん堂店主であった。

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「金の瓜と銀の豆<中国の傑作絵本>」
チャオ・エンイ ぶん/ホー・ミン え/きみじまひさこ やく
(ほるぷ出版)

商品の詳細データを古本ぺんぎん堂で見る       
「金の瓜と銀の豆<中国の傑作絵本>」SOLDOUT
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テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌

絵本って
ほんとに楽しい。

子どもに読み聞かせてあげるため
また、自分が楽しむために
よい絵本を探している人は多いと思うんだけど、
近くの小さな書店にはあまり児童書がない
とか
図書館のは、もう借りつくしてしまったよう(泣)
という人が
新しい絵本に出会うには
どうしたら、いいのか?


こういう書評やブックレビューを
絵本」にしぼって調べるのもあり、だろうし・・・
時々、ムックや雑誌に登場する
わたしの好きな絵本」のような特集や
ブックガイドを参考にするのもいいかも。

あたしは、仕事柄、とにかく手にとってみる派ですが(笑)
たくさんの本や著者を紹介してあるブックガイドは
調べもの用含め、あると便利。

このマーブルトロン社の
マーブルブックス(発売は中央公論新社)は
セレクトもセンスもデザインもなかなか素敵な本が多く
お気に入り。
この「私が1ばん好きな絵本3<海外の絵本150選>」は
愛と孤独を知る絵本/グラフィカルな絵本/ガーリー絵本
/ラブ&ピースな絵本/気になる東欧・北欧の絵本/大切な人にプレゼントしたい絵本
など、翻訳モノを中心に厳選した海外作家の絵本を
シーン別に紹介したガイドブックだ。
(同じシリーズに「日本の絵本150選」もある)
版元品切れの本だけど、
昨年、日本編、海外編を合わせた愛蔵版が
「絵本、大好き!」として刊行されたので、
こちらはまだ入手可能。

今回は、この本自体の紹介というより
海外の絵本150選の中から、
ぺんも好きなものについて
少し書いてみようかな、と。

まずは。

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「あおくんときいろちゃん」
作・絵 レオ・レオニ(至光社)

あおくんきいろちゃんは、とってもなかよし。
ある日あおくんのママは、あおくんにお留守番を頼んでお買い物に。
あおくんはきいろちゃんと遊びたくて家を出て
あちこち探しますがきいろちゃんはいません。
とうとう街角でばったりきいろちゃんと出会いました。
あおくんときいろちゃんは嬉しくてくっつき・・・
みどりちゃんになってしまいます。
遊びつかれて家に帰りますが、
みどりになったふたりは「うちのこじゃない」と言われてしまいます。
あおくんときいろちゃんは泣いて、泣いて、
ふたりは全部になってしまいます。
あおの涙はあおくんに、きいろの涙はきいろちゃんになりました。
あおくんのパパやママはあおくんが帰ってきて大喜び。
喜んできいろちゃんを抱き上げると・・・みどりになりました。
おとなたちはそれを見ていきさつを理解しました。
そして、みんなで抱き合って・・・みどりになって・・・
喜びを分かち合うのでした。

レオ・レオニさんがお孫さんのために作った絵本。
様々な楽しみ方ができるのがロングセラーの理由。
子どもに色の概念を教える教育的絵本と見る人もいるだろうし
仲良くすることのすばらしさを素直に楽しむもよし
恋愛中の人には、愛の絵本として読める。
深読みすれば、この
人種、宗教、思想信条などにも置き換えることができ、
融和、協調への願いとも取れる。
いろんな意味で
LOVE&PEACEな絵本。ブラヴォ。

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「てぶくろ」
ウクライナ民話
絵: エウゲーニー・M・ラチョフ
訳: 内田 莉莎子
(福音館書店)
 
雪の降る森の中、
子犬と歩いていたおじいさんが手袋を片方落とす。
冷たい雪の上に落ちた、あたたかそうなふかふかの手袋に、
「ここで暮らすことにするわ」
と最初に入ったのはねずみ
次々と集まってくる動物たち。
「中にいるのは誰?」
「入れて?」
「どうぞ」

のくりかえしだが
テンポがあって、おもしろい。
自分も手袋の住人になった気分(笑)
かえる。うさぎ。きつね。おおかみ。いのしし。
「入れて」と、やってくる動物が
どんどん大きくなっていって

「だめだよおお、もう入らないよー!!」

と叫びたくなるが、なぜか入っちゃう(笑)
最後は、くま。
無理っ!無理ってば!
でも、入っちゃったねえ(笑)
ありえないけど、楽しいのだ。
住人が増えるにつれて、
はしごが付いたり窓が出来たり改装されていく
手袋ハウス(笑)の微妙な進化が楽しめる。
このお話は、民話だから、
言い回しや絵の違う複数の絵本が存在するが、
ウクライナ的な民族衣装風のデザイン、色彩は
日本の絵本には、ない感じで、とても素敵だから
このラチョフ画の絵本が、あたしは一番好きだ。

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「さむがりやのサンタ」
作・絵:レイモンド・ブリッグズ
訳:すがはら ひろくに
(福音館書店)

ベッドの中で熟睡するサンタのおじいさん。
常夏のビーチでくつろぐ夢の途中で目覚まし時計に
起こされる。

「やれやれ、またクリスマスか!」

コミックのようなコマ割りで、
サンタクロースの一年で一番忙しい一日を
ユーモアたっぷりに描いたクリスマス絵本。
物語らしい物語はないのだけど、
狭い煙突に文句を言ったり、
サンタの衣裳の下に、ももひきをはいたり(笑)
食事を作ったり、一杯やったり、一休みしたり、
そんな人間味あふれるサンタの姿に
笑いがこみあげる。
緻密に描かれた、生活や町の描写は何度見てもあきない。
あたしも小さい頃、読んだときは
起きぬけにサンタさん入れるあったかいミルクティや
卵とベーコンの朝食、クリスマスのごちそうや
大きなツリーや煙突のあるおうち、など
イギリスの生活の一端に触れて、
すごく憧れたよお!
それに、いまひとつサンタというものに
イメージや実感のわかなかった日本の田舎の子どもには
普通のまわりの大人の人みたいに
ちょっぴり文句も言いながら、
魔法みたいにじゃなく、お仕事として
一生懸命、プレゼントを運ぶサンタさんは
はじめて、リアルな存在として感じられ、
ますますクリスマスが楽しみになった気がする。
大人も子どもも一緒に楽しめる本。

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「しろいうさぎとくろいうさぎ」
作・絵: ガース・ウイリアムズ
訳: 松岡 享子
出版社: 福音館書店

二ひきのちいさなうさぎが、
ひろいもりのなかに、住んでいました。
二ひきは毎日、楽しく遊んでいましたが
ときおり、くろいうさぎは。とても悲しそうな顔をします。
どうしたのか訊ねるしろうさぎに、
くろうさぎは言います。
「ぼく、ねがいごとをしているんだよ。
いつも いつも、いつまでも、
きみといっしょにいられますようにってさ。」


大好きな相手がいなくなったらどうしよう
という不安。
ずっと一緒にいるには、どうしたらいいのか?

二ひきは手を握り合い、
たんぽぽの花を摘んで耳にさす。
他のうさぎたちや、
森に住む動物達がやってきて、
月の光の中で結婚式のダンスを踊る。

そうかあああ!

結婚って、こういうことなんだ!


ものすごくシンプルな愛のかたちに
子どもは素直に納得し、
大人は、なんだか胸がきゅううっとなる。
あたしの幼少時のお気に入りであったけど、
大人になって読み返すと、また違う感慨が。
プロポーズのときに送る人がいる
というのもうなずける。

そして、物語と共に素晴らしいのはウィリアムズの絵だ。
しろいうさぎとくろいうさぎのやさしい愛の物語が
墨絵のような濃淡でやわらかく語られる。
子どもの好きそうな、明るく、くっきりした色でなく
白と黒を基調にした抑えた色彩で描かれた二ひきのうさぎは
ふわふわの手触りまで感じられそうなほど可愛くて
その静かな色合いの中に映える黄色いたんぽぽの美しさは
切なくなるほど。

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「ふくろうくん」
作・絵: アーノルド・ローベル
訳: 三木 卓
(文化出版局)

お人好しで、ちょっとおっちょこちょいでやさしい、
ひとり暮しのふくろうくんの日常を描いた、
なんともいえないほのぼのとしたお話。
寒い夜にやってきた「ふゆくん」の大暴れ。(おきゃくさま
ベッドに入って寝ようとしたら、足元にある
ふたつのこんもりしたものが気になって眠れないふくろうくん。(こんもりおやま
いろんな悲しいことを思い出し、やかんにためた涙で入れた紅茶を
美味しそうに飲むふくろうくん。(なみだのおちゃ
二階建ての家の1階にいるときは、上が気になり
2階にいるときは、下が気になり
なんとか上と下に同時に存在できないかと
階段を走りまわるふくろうくん。(うえとした
追いかけてくるお月さま。(おつきさま
いろんな不思議を真剣に悩み考える様子は、
なんとなく小さい子どもの興味のあり方に似てる。
大人には、当然のことでも、日常の中には
子どもにとってのミステリーがいっぱい。
あれこれ話しながら、一緒に面白がってあげればいいんだ。
そんな楽しい気持ちを、ふくろうくんは教えてくれる。
ユーモラスな絵と三木卓さんの訳も秀逸。

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私が1ばん好きな絵本3<海外の絵本150選>
(マーブルブックス13)

古本ぺんぎん堂で探す
「私が1ばん好きな絵本3<海外の絵本150選>」
「てぶくろ」
「さむがりやのサンタ」
「ふくろうくん」SOLDOUT
(ローベルのほかの本「どろんここぶた」

テーマ:絵本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

★ネタバレ注意報★

先日、クリスマスプレゼントに
いただいた絵本を紹介したから、
今度は、あたしがプレゼントした絵本を・・・。

クリスマスの贈り物を探していて、
もっと、いかにも”クリスマスううう!”なものも
あったんだけれど、
もう、一目惚れしてしまったんだ(笑)
この絵本の表紙に。
店の名前につけるくらい、ペンギンが好きだからね(笑)

でも、読んでみたら
可愛いだけの、ペンギン絵本とはひと味違って・・・。
物語の世界に、一気に引き込まれて
不覚にも、新刊書店の片隅で泣きそうになってしまった(大汗)

あるひドアをあけるとペンギンがいました。

そうなの。いるのよ。唐突に(爆)

何にも、しゃべらないし
さびしそうに見えるんだけど
とにかく、おとこのこのあとを
ずっとついてくる。

おとこのこは
どこからきたのかもわからないペンギンを

きっと「まいご」なんだ!!

と思って、
トリたちにきいたり、本で調べたりして
ついにはペンギンをうちに帰してあげるため
二人で南極へとボートを漕ぎ出す・・・。

普通は、これで
めでたしめでたし♪
になるんじゃないのっ???

お父さんペンギンや
お母さんペンギンが
涙で迎えてくれて・・・
お礼に玉手箱とか、ペンギンの秘宝とか、くれたりしてさ(笑) ←違うってばよ!(爆)

さよなら。まいごのペンギン。

別れるとき、
ペンギンは(たぶん)今までで
一番さびしそうな顔をしてた。
ペンギンだから、表情読みにくいけど(泣)

おとこのこも
まいごのペンギンを南極に送ってあげて
いいことをした、よかった、
って喜んでいいはずなのに
なにか、まちがってる気がした。

ふたりは同じ気持ちだった。

ハグ。ハグハグ

言葉もなく、ぎゅうっと抱き合う。


ペンギンがどこから何のためにやってきたのか、
とか
どうやってきたのか
とか
そういうことは、説明されない。
でも、きっと、そんなことはどうでもいいのだ。

好きだ、という気持ちがすべてだ。

ときに、あたしたちは
好きな人のために、何をしてあげたらいいんだろう、
って
いろいろ考えて・・・
考えすぎて・・・
空回りしてしまうことあるね。

しゃべらないペンギンみたいに
黙っている相手の気持ちがわからなくなってしまう。

そんなときは・・・
理屈や理由を探すんじゃなく

ただ、思い出してみよう。

一緒にいたいのは・・・好きだから。

ただ、静かに、ぎゅううっとハグしてみよう。

一緒にいたら・・・うれしいから。

シンプルで、でも難しい
そんなことを、おとこのことペンギンが
教えてくれた。

あたしは、たまたまクリスマスに見つけたけど
お誕生日でも・・・
なんでもない日でも・・・

大好きな友だち、大好きな家族、大好きな人に
プレゼントしたくなる本。


作者のオリヴァー・ジェファーズ
アイルランドの新鋭の絵本作家さんで
この『まいごのペンギン』が2作目。
絵本デビュー作『みつけたよ、ぼくだけのほし』とともに
やさしいタッチと色彩、ユーモラスにデフォルメされたキャラクター、
本当に素敵で、何度見ても飽きない。

penguin1.jpg

「まいごのペンギン」作/オリヴァー・ジェファーズ
訳/三辺律子
(にいるぶっくす)

テーマ:絵本 - ジャンル:本・雑誌

★ネタバレ注意報★

あたしは、絵本や児童書が大好きです。
一度、小学校の図書館に大量に納品したから
小さな店の在庫がごっそりなくなってしまったけど(笑)
仕入れのたびに、こつこつとまた買い集めています。
店で、力を入れていきたいジャンルです。
なのに、なぜ、いままで
絵本の書評がなかったのかというと・・・。

はうううう( ̄ロ ̄lll)


どこまで、ストーリーをばらしていいのか

加減がわからないからっ!!(爆)


だって・・・。
絵本って、単純なストーリーのものが多くて
あらすじを書かないと、上手く紹介できないじゃない!
でも、これから、読む人に
多少ぼかしはしても、言っちゃっていいのか?っていうのもあって
上手く書けなかった。

だけど、絵本の魅力というのは
ストーリーだけじゃなくて
下手したら、1、2行で要約できてしまうような物語を
絵やセリフや表現の工夫でどんなに楽しく見せるか、
どうやって子どもたちを物語の世界に引き込むか
というあたりにあると思うし、
ミステリーやなにかと違って
結末がわかっちゃったから、それでおしまい、
っていうわけじゃなくて
一度読んだあとに
何度も何度も、読み返したくなるのが
本当に良い絵本の条件だと思うから・・・。

これからは
あまりネタバレのことを意識しすぎず
紹介していこうと思うんだ(笑)

つーことで、最初は・・・。
もう過ぎてしまったけど
今年刊行のクリスマス絵本の中で、秀逸だと思った一冊を。

実は、あたし自身がクリスマスプレゼントして
いただいた本だ。

マーガレットは、サンタクロースにあこがれる女の子。
彼女は、誰かをよろこばせたいという願いを
素直にもてる、やさしい子。
森や湖で見つけた、きれいな木の実や葉っぱを
ていねいに紙でくるんで、みんなにプレゼントしたりしているけれど
この時期、忙しい大人たちはあまり彼女にかまってくれない。
子どもにできる精一杯のささやかな贈り物では
人々をよろこばせることができないのかもと
小さな胸を痛めている。

あたしがサンタさんだったらいいのに、と。

クリスマスの前の朝、
突然現れたくるみ割り人形のルディが
彼女を不思議な冒険へといざなう。

「マーガレット嬢、むかえにきたでごす!」

トナカイのかわりに8羽の白い大きな鳥。
プレゼントの入った袋を持って
鳥の背中にまたがり、冬空を飛ぶマーガレット。
サンタになった彼女は
いったい何を配り、何を知るんだろう?

というお話。

よくあるクリスマス・ストーリーとは
少し違った味つけがされているのが素敵だ。

全然、可愛くない(笑)へんてこなしゃべり方の
くるみ割り人形がユニーク。

クリスマスの奇跡を信じたいのは
誰だって同じだけど
あまりにも、サンタ=神様に近いような

とびきりゴージャスな奇跡って

ちびっと胡散くさくない?(爆)
貧乏な家が一晩で大金持ちになったり
親には絶対買ってもらえないようなすごい贈り物をもらったり
死人が黄泉返ったりするのは(爆)
なんとなく、好きじゃない。

夢がないわけじゃなく
(いい歳をして、サンタとドラえもんは本当にいるかもと思っている。爆)
もう少し、等身大のリアル
子どもの本にも必要だと思ったりしてた。
動物を擬人化したりするのは
おげーだけどね(笑)

この本は
本当に、ささやかな幸福を描いているところが好きだ。

せっかく、憧れのサンタになったのに
マーガレットはちょっぴりかなしくなったりする。
なぜかっていうと
ルディに渡された袋に入っていたのは
マーガレットが想像してたような、すごい贈り物じゃなくて
彼女が普段、集めてみんなに贈っていたような
葉っぱや、どんぐりや、ありふれた花
なんていう、ちょっとみすぼらしいプレゼントだったから。

でも、それを
いろんな理由で、
リスや鳥やミツバチたちは
とてもとても、よろこんでくれるのだ。
本当に心から。

マーガレットは、ちゃんと人をしあわせにできる女の子なのだ。

きっと、大人が読むと
いろんなことを感じる本だと思う。

誰もがサンタクロースになりたい
きっと思っている。
マーガレットと同じように
もう少し、自分に力があれば
まわりの人や大切な人をしあわせにできると。

お金や、家柄や学歴や、世渡りの術やコネ、才能や技術、
美貌、健康、時間、そして運・・・
全部に恵まれた人なんかなかなかいない。

多くの人は、あとほんの少し、何かがあれば

もっともっと、自分はしあわせになれるのに
誰かをしあわせにしてあげられるのに
って
思ってしまうだろう。

でも、普段過ごしている特別でない日常の中にも
ちゃんと、あなたの努力や好意を
受け止めてくれている人がきっといる。


そんな、あたたかい思いがこもった本。

そして、が・・・
ほんとに素晴らしい。


黒を基調にした表紙に
白い背景のページ。
そこに、ほんわかと淡い色彩がのせられる。

赤や緑に金
という華やかなクリスマスのイメージでもなく
キリスト生誕の聖夜を主題にした作品に多い、
夜の青に、白や黄色の星というイメージでもなく

ただただ、静謐でやさしい絵

それでも、物語とともに、極上のクリスマス絵本だ。

この絵本の刊行にあわせ
各地の大型書店などで原画展パネル展が開かれたので
植田真さんの絵を目にした方もいらっしゃるかな?
あたしも、お気に入りになった。
絵本や文芸書の装画を担当されることが多くて
文章と絵の両方を書かれたのは
スケッチブック」に続いて
この「マーガレットとクリスマスのおくりもの」が
まだ2冊目だけど
これからも、もっとこの人の手がけた絵本を
読みたいと思った。

物語の最後で
サンタの任務(笑)を終えたマーガレットは
クリスマス当日の朝に
自分自身もプレゼントをもらう。
このプレゼントを
よろこぶのか、がっかりするのかは
たぶん、読む人次第。
あたしは、笑顔になりました。


margaret.jpg

「マーガレットとクリスマスのおくりもの」植田真(あかね書房)

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ぺんぺん

Author:ぺんぺん
古本ぺんぎん堂店主
☆成分分析:
ぺんぺんの90%は本でできています
残りは音楽と映画と酒と美味しいものでできているようです

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