生涯一書痴! 病高じて古本屋の店主になってしまった、ぺんぺんの読書日記です。書評ってほど偉そうなものではないですが(汗)読んで楽しかった本、いろいろ考えた本を紹介したいです
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んーと
簡潔に言うとタイムスリップもの(笑)
で、テーマは戦争

帯から引いておくと・・・

「2001年9月12日
世界貿易センタービルに旅客機が突っ込んだ翌朝も
尾島健太(19)はテレビの臨時ニュースや新聞には目もくれず、
一人サーフィンに出かけた
バイトをクビになりガールフレンドのミナミとも喧嘩中で会えないからだ
しかし、大波に呑まれた健太が目を覚ますと、
そこは1944年だった!」


「1944年9月12日
霞ヶ浦飛行場から飛び立った石庭吾一(19)は、
「海の若鷲」に憧れる飛行術練習生だ。
しかし、操縦を誤って海に墜落してしまう。
蘇生した吾一が目覚めたのは、なんと2001年だった・・・。」


根拠なしポジティブのフリーターと
バリバリの特攻隊員が入れ替わったらどうなる???

荻原浩
シリアスな内容をポップな文体で綴れる
現代に必要とされるタイプの作家さん
この本も若い人のためには
すごく役に立つ作品だと思う
自分の境遇とかけ離れた世界を理解するには
いかにして感情移入させるかという技術が必要になる
この作品ではキャラクターの設定が身近で
抵抗なく読めるはず
今の10代、20代に「戦争」をわかれ、というのは無理があるよね
30代のあたしでも、リアルには感じられないもの
でも、物語の中でも少しでも
戦争の怖さを伝えることは、とても大事だと思うの
二度と同じことを繰り返さないために

読んでるうちに
とても近いテーマの作品を思い出した
山田太一「終りに見た街」
もう売り切れてしまったけど
店に出したときのレヴューを

「山田太一は小説もシナリオも好きで
結構読んでいるつもりだったのだけど、
これは古いためか未読でした(品切れ本だし)
たまたま見つけて。でも読んでよかった。本当に怖かったけれど
これを怖いと思える自分はまだ、まともな感性を持ってると思った
ぶっちゃけ言うと、80年代に暮らす普通の家族二組が
昭和19年のあの戦争のさなかにタイムスリップしてしまうという話
父たちは戦争を経験しているし、歴史も知っている
何とか家族の身を守りつつ終戦までやりすごしたい
それだけでなく、できれば起こるはずの大空襲から
他の人々も守ってあげたい
奮闘する父親を見て子どもたちは「親父見直したぜ」になるんだ!
と一瞬思ったけど山田太一の作品がそんな単純なはずがなく・・・
幼い子どもたちは時代の空気に染まって
<お国のために>に同調しない親を責めるの(涙)
戦争が怖いのは多分死ぬことへの恐怖でも物の足りない不満でもなく
多数派の論理に飲み込まれていくこと
国の利益を正義とかみんなのためとかいう言葉に置き換えたとき
若いやわらかい心にそれは簡単に染み込んでしまう
人間誰しも人の役にたちたいという気持ちを持ってて
それをとんでもない方向に向けてしまう思想の恐ろしさ
自爆テロとかを尊い自己犠牲と信じさせてしまうんだからな
私は絶対、戦争は嫌です」

bokujtatinosennsou.jpg

「僕たちの戦争」荻原浩(双葉社)

荻原浩の本
「ハードボイルド・エッグ」SOLDOUT

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うむー
ふと考えた(笑)
めっさ、渾身にレヴュー書こうと思うから
毎日書けないのか?(笑)
漫画も入れたら、日々平均3冊以上は読んでるんだけど・・・
もちっと、さらっとでもいいかなあ?
図書館で借りた本なんかも
備忘録がわりに
簡単に内容とか、考えたことメモしておきたいし
そゆのもありにしとくかな
自腹買いの本と図書館で借りた本は
日記のつもりの別ブログ「古本ぺんぎん堂の作り方」の方に
書いてるんだけど
本ネタはこっちにも、なるべく書くようにしてみよう

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今日は
自分の蔵書の中から
店に出すものを選んだりしてて・・・
また、ひっかかってしまった(笑)名作トラップ
しばし読書(笑)
うぬぬ・・・やっぱり、久しぶりに手にして
もう一回読みたくなる磁力がある
っていうのは傑作の判定基準かも(笑)

いや、ぺんの頭が、ひゅーひゅーだから
毎回、新鮮な気持ちで読めるだけか?(笑)

さて
「11人いる!」
萩尾望都のSF代表作

宇宙大学受験会場、最終テストは
外部との接触を絶たれた宇宙船・白号で53日間生きのびること
1チームは10人。だが、宇宙船には11人いた!
さまざまな星系からそれぞれの文化を背負ってやってきた受験生を
あいつぐトラブルが襲う
疑心暗鬼のなかでの反目と友情
11人は果たして合格できるのか?
というようなミステリー仕立てともいえるストーリー

11人目は誰なのか?
という謎解きの面白さに
主要人物である少年タダの、本人も気づいていない
白号の過去の事件との因縁という、もうひとつの謎
緻密に描かれた宇宙船のSF的設定
電導ヅタの繁殖と、それが引き起こすウイルス性の伝染病
軌道のずれによる太陽への接近で上昇していく船内の温度
というパニック要素
120ページという中編に凝縮された濃密なアイデアと
スピーディーな展開は
何回読んでも、うなる(笑)

でも、何よりキャラクターのユニークさがいい
特殊な直観力を持つタダ(過去の記憶をなくした孤児)と
女性と見間違うほどの愛らしい少年フロル
(彼の星特有の身体の不思議も話にふくらみを与えている)
のあいだに芽生え始めた友情を軸に
それぞれの特異な外見と文化、能力を描くことで
はるか辺境の星までも宇宙船が飛び交う
広大なSF世界を上手く表現している
(あたしはトカゲのような皮膚を持つ両性体の僧侶
ヴィドメニール・ヌームが好きだあ
あと、みたいな顔の人も。笑)

萩尾望都の近年の作品は
彼女の人間の心理についての深い洞察力で
人間の業や罪に光を当てたサイコホラーっぽいものが多いかな
(「残酷な神が支配する」など)
それらの作品も面白いんだけど
あたしは初期のSF作品がすごく好き
この「11人いる!」はもちろん
火星生まれの白い髪・真紅の瞳の少女・星(せい)を
主人公にした「スター・レッド
宇宙の創世から終末までを描いた
かの光瀬龍の超大作を原作とした「百億の昼と千億の夜」などは
少女マンガは、ちょっと・・・
と敬遠してる男性にも是非読んでほしいな
絵柄は繊細で、いかにも少女マンガらしい美しさを持つ作品は
意外なほどの大胆で骨太な構成、個性的な人物造形で
ジャンルを超えた魅力にあふれてる

目から出たウロコ片付けるのが大変なはずだよ(笑)

11niniru.jpg

「11人いる!」萩尾望都(小学館文庫)

萩尾望都の本
「11人いる!」
「スター・レッド」
「百億の昼と千億の夜」
「半神」
「ケーキ ケーキ ケーキ」
「イグアナの娘」

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これはたぶん
教室が「世界」だった頃を覚えている
すべての「きみ」たちに贈る物語

恵美
弟の文彦(ブン)
そして、その周りの少年少女たち
小学生、そして中学生という名の日々を
時間と視点を少しずつずらして
一人の男性によって綴られる
「きみ」たちの物語

交通事故がきっかけで
クラスという小さな社会に溶け込むことができなくなった「きみ」

たった一人の大切な友だちを見つけた「きみ」

自分が一番、それが当たり前だったのに
何もかもが自分より上の転校生に初めての敗北感を味わう「きみ」

誰とでも上手くやれる
ドラマの人物相関図みたいなクラスの人間関係の
すべて輪の重なる場所に自分はいると思いながら
気がつけば、そのどこにも属していないことに気づく「きみ」

仲良しの友だちだったはずなのに
いつのまにか注目を集める彼らと
脇役のオレの違いに劣等感を感じて
どうやってつきあっていいかを見失ってしまう「きみ」

親友と思っていた友だちに彼ができた途端
自分の居場所がなくなって
簡単に覆る世界を正視できなくなった「きみ」

親友でライバル
いつも少しだけ勝っているのは自分だったはず
でも、好きな女の子はヤツを選び
愛するサッカーの選抜に選ばれたのもヤツだった
揺らぐ自信に戸惑う「きみ」

何もかも上手くいかない冴えない自分に
いらだちを押さえきれない「きみ」

転校で陰湿ないじめからやっと抜け出せたのに
新しい場所でも、昔の傷から解放されない自分をもてあまし
人とのつきあいかたに悩む「きみ」

そして、誰よりも大切な友だちをなくした「きみ」

学校という閉じた場所
誰だって楽しく毎日を過ごしたい
でも、いろんな巡りあわせで上手くいかないこともある
規格外のパズルのピースみたいに
自分ひとり、はみ出してしまったような疎外感
でも、それは「きみ」だけじゃない

本当の「友だち」がいたら
どんなに楽しいだろう
でも、そのためには本当の「友だち」って何か考えないといけない

「西村さんは、友だち、たくさん欲しいひとでしょ
わたしは違う
いなくなっても一生忘れない友だちが、一人、いればいい
一生忘れたくないから、たくさん、思い出ほしい」


群からはぐれた子羊が
寄り添っているだけのように見える恵美ちゃんと由香ちゃん
けれど、二人の間には充たされた優しい時間が流れている
ただ、好きで一緒にいること
そんな簡単なことが、ときに難しいのは
子どもの世界でも同じ

いじめられたくないからでも
一人でいるのがさびしいからでも
人に嫌われたくないからでもなく
一緒にいたいと思う
それが「友だち」
「きみ」たちがそんな誰かと出会えることを
心から祈る

年齢を重ねても
経験を重ねても
人とあわせることが上手になっても
本当に「友だち」と呼べる人をもってる人間なんか
そんなに多くはないけれど
すべての「きみ」たちがしあわせであるように

これは、そんな「祈り」のような物語だ

それぞれ短編として発表されたので
個々の物語の完成度は高い
すべての物語をつなぐ最終章
なくてもいいと思う人もいるかも
でも、あのお伽話めいた大団円が
あたしは好きだ
作中に繰り返し出てくる「もこもこ雲
最終章は重松さんのもこもこ雲なんだ
薄荷水みたいな、すうっとする感じがうれしかった
面白いと思える本なら、たくさんある
でも、読み終わった後に、心が解き放たれて軽くなるような本は
そんなに多くはないから

20070420082058.jpg
「きみの友だち」重松清(新潮社)

重松清の本
「世紀末の隣人」
「ニッポンの単身赴任」
「だからこそライターになって欲しい人のためのブックガイド」
「おやじ、ありがとう」
「いつか、また逢える」
「君へ。つたえたい気持ち三十七話」

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自宅の本の整理をしてたら出てきた
ぱら見してたら、完全にはまってしまった(笑)

ぐはー
もう何回目だろう

初めて読んだのは、あたしが高校2年のとき
夏休みの読書感想文、これで書いたの覚えてる
(今、思えば渋いぞ、自分。笑)
言わずと知れた第26回の江戸川乱歩賞の受賞作
乱歩賞はさすがにレベルが高くて、はずれが少ないので
以来、欠かさずチェックしてるけど
今でもこの作品は素晴らしいと思う
だって、新刊と古本で自分用の本を買って
仕事柄、仕入れた本も、ほぼすべて読んでから出品して
さらに図書館でも本を借りる
活字中毒のぺん
(小説、エッセイ系だけで年間約400冊平均?漫画は別でそれ以上)であるから
つねに手元に「次に読むもの」は待機してる状態で・・・
再読なら、たまにあるけど
5回以上読んだ本となると、そんなに多くはないと思う
村上春樹筒井康隆の作品
ダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」
オースン・スコット・カードの「エンダーのゲーム」
ハインラインの「夏への扉」
宮本輝の「優駿」
灰谷健次郎の「兎の眼」
北村薫の「スキップ」
あと、少女時代から愛読の
氷室冴子の「クララ白書」のシリーズ
新井素子の「星へ行く船」シリーズ
くらいかな?ぱっと浮かぶのは
(漫画なら、もっとあるけどね。笑)

ましてや、謎ときが主題であるミステリーなんて
やっぱ、一回ネタばれたら、何度も読まないのが普通だよね?
それでも、何度も読みたくなるくらい
この本は面白かったんだ

過去幻視効果(過去の人間の精神に同調して
その人間の目で過去を体験する)を持つ新薬の開発
被験者に選ばれたのは
民俗学を専攻する貧乏な大学院生
過去の特定人の知覚に
その人物に深い関心を持つ人間の意識が同化する可能性が高いという
(エヴァでいうシンクロ率?笑)
高額の報酬だけでなく
強い好奇心が彼を動かす
折口信夫(おりぐちしのぶ)
彼の研究の対象であり
国文学・民俗学・歴史学・神道などに通じたユニークな学者
彼の実家に伝わる「猿丸額」と呼ばれる歌の秘密を
折口なら解けるかもしれない!

と、つかみはいきなりSF

折口信夫の目で過去を生きる彼の前には
次々と多くの謎と、意外な事実が姿を現す
百人一首に登場する伝説の歌人・猿丸太夫の正体は?
「いろは歌」に隠された千年の秘密とは?
そして、ともに謎を解明しようとしていた友人の悲劇的な死の真相は?

暗号解読殺人事件
というミステリーの二本立てに
歴史小説の醍醐味
幻のような伝奇の里での淡いロマンス

消化不良になってもおかしくないほどの豊富すぎる材料を
見事に料理する手腕に、ほれぼれ

井沢元彦
このあとも歴史への深い造詣を生かした
伝奇ミステリーと呼ばれるタイプの作品をいくつか発表して
その後の新しいタイプのミステリーのさきがけとなった人

高橋克彦夢枕獏も、そうだけど
歴史ミステリーのブレンドは
ときに心躍る絶妙の味わいを感じさせてくれる

史実のすきま
わからない部分を
いきいきしたユニークな人物造形や
「もしも、彼がこうだったら・・・」という
想像力で埋めると
歴史は単なる年表のような事実の羅列ではなく
数多くの人生の集積であることがわかる
それを強く・・・そして何より楽しく感じさせてくれる作品が
あたしは、すごく好き

sarumaru.jpg

「猿丸幻視行」井沢元彦(講談社文庫)

井沢元彦の本
「猿丸幻視行」倉庫に在庫があったかも・・・見つけたら出品予定

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仕事多忙のため、不覚にも3月に発売になっていたのに気付かず
先日あわてて入手
一日で読了
(う・・・こんなに待ったのに・・・もったいなかった。笑)

読後の、ざっぱーな印象は二つ
■こりゃまた、好き嫌いの分かれる作品だなあああ
■海外作品読んで、初めて日本人でよかった!と思った

・・・です(笑)

ひとつめ
これは・・・
「ハンニバル」のときも言われたことだ
確かにね・・・
「羊たちの沈黙」(「レッド・ドラゴン」もだけど)がある意味すごすぎた
FBI捜査官が、連続殺人犯を
プロファイリングしていく過程の緻密な描写と
息詰まるような犯人との対決の緊迫感
という現代人が最も好むタイプのミステリーの要素
(これはジェフリー・ディーヴァーの近年の人気作
リンカーン・ライム」シリーズにそっくりそのまま当てはまる)と
犯人バッファロゥ・ビルそして捜査官(訓練生)クラリスの心理を
稀代の<怪物>ハンニバル・レクター博士
解き明かすサイコ・サスペンスの要素が
絶妙にからみあい、極上のエンターテイメントとして
決して忘れられることのない足跡を刻んだ作品だから

「ハンニバル」では7年後のレクター博士と
FBIで窮地に立たされたクラリスの再会
レクターを執拗に狙う復讐鬼との対決などが描かれ
猟奇的な描写と、妖しくも美しいロマンスが圧巻だが
これをあくまでも「羊たちの沈黙」の続編として
いわゆる「ミステリー、サスペンス」の枠内で
期待していた人は、多分期待はずれだったのでは?

この「ハンニバル・ライジング」にも同じことが言える

「ハンニバル」で明かされたレクター博士の過去を
さらに幼少期の克明な描写で補い
あの素晴らしい「記憶の宮殿」の源
優雅な美意識の誕生の過程
カニバリズムの芽生え
彼がいかにして<人間>から<怪物>への変貌を遂げたのか
その心の動きを共有できる作品で
「羊たちの沈黙」の重層的な面白さはないが
ハンニバルが主人公のこの2作は、
「羊たちの沈黙」とは全く別の魅力を持つ作品なのだ

ハンニバル・レクターという「謎」をめぐる物語

あたしのように
彼のキャラクターに、どうしようもなく
惹かれてしまう人間にとっては
捜査、復讐、逃亡、殺人・・・といった
ミステリー、サスペンスに必要な要素以上に
彼の頭の中を覗きたい、感情を理解したい
彼がいかにして<彼>になったかを知りたい

という欲求が存分に充たされて
幸福感さえ感じた(笑)
読書の傾向として
「物語」を愛するか、
「人間」を愛するかで
捉えかたはずいぶん変わる、の好例かもしれないな
ぺんは、ストーリーの完成度よりも
キャラクターを愛するタイプだから

ふたつめ
外国文学を読んで
自分が日本人であることがマイナスであると
感じることなら、よくある
外国の地理、歴史、文化、宗教などに
造詣の深い人なら別だが
その文化圏の人間なら当然わかるような
冗談、比喩、常識があたしのような一般ぴーぽーには
理解できない、リアルに想像できない
多分、日本人には
ダヴィンチ・コード」の異端ぶりやセンセーショナルな部分は
キリスト教文化圏の人間ほどは驚きとはなりえないように

「ハンニバル・ライジング」では
レクターの少年時代に、のちの趣味嗜好に深く影響を与えた人物として
叔父の妻である紫夫人が登場する
彼女は日本人で
この作品の中では
日本の文化が驚くほど、重要な役割を果たしているのだ!
著者トマス・ハリスの日本文化への理解は相当で
和歌、古典、歴史、美術などへの言及はどれも
いわゆる「フジヤマ、ゲイシャ」なチープな日本趣味とは
一線を画す高度なもの
ギブスンの「ニューロマンサー」のアキハバラとか
「ブレードランナー」の冒頭シーンとか
外国人のへんてこな日本趣味もある意味すげー面白いんだが)
これは日本人じゃないと、わからないでしょう???という
部分が多々あり
初めて、他の外国人読者より
日本人である自分の方が作品をより深く理解できるであろう
という喜びを得た
これが日本の作家なら当然のことなんだが・・・
トマス・ハリスでレクター博士だからなあ・・・・(笑)
びっくり、そして思わずニヤリ

レクターファンなら、楽しめる
GWの公開の映画もたぶん観るな、あたしは(笑)
どこに焦点を置いて撮るかでずいぶん出来は違ってくるとは思うけど

hannibal.jpg
「ハンニバル・ライジング(上下)」トマス・ハリス(新潮文庫)

トマス・ハリスの本
「ハンニバル・ライジング(上下)」

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「さくらん」「働きマン」もブレイク中
男女を越えて支持を受ける漫画家となった安野モヨコ
初の青年誌掲載作品がこれ

あたしは、女性誌の頃から読んでて
好きな作風だなあ、と思ってた
うむー名付けて赤裸々系?(笑)
系譜としては内田春菊、岡崎京子のラインか???
それぞれに個性的で好きだけど
共通するのは、エロをきちんと描けること
恋や愛をロマンティックにでなく描けること
かなあ・・・

作家・漫画家含めて表現者には
足し算の得意な人と、引き算の得意な人がいる
というのが、ぺんの持論だ

足し算
小さな種に
水をやって、肥料をやって
大事に育てて、大輪の花に育てるように
エピソードを積み重ねて
大団円にもっていくのが上手な人
本にカタルシスを求める読者には足し算がいい
疲れたときは、癒されるから

引き算
玉葱を剥くみたいに
どんどん虚飾を剥いでいって
最後に残る何かで魅せるのが上手な人
フィクションの中の
「本当のこと」を愛する読者には引き算がいい
自分を見つめなおすことができるから

あたしは、どっちかっていうと
引き算の上手な人が好きみたい
安野モヨコは当然、後者

恋愛は綺麗ごとじゃない
どろどろのぐちゃぐちゃにもなったりするし
自尊心、見得、損得、自己満足、物欲、性欲、依存心バトル・ロワイアル
安野モヨコの作品は
まるで精神分析医にかかったみたいに
心を裸にされていく感じが快感なのだ

青年誌だし
モテたい男のラブ・バイブル
というのが表向きの売りだったようで(?)
前半は
<小松のフリ見てわがフリなおせ!>
という合言葉まで生んだ(ほんとか?笑)
モテない高校生男子・小松が
モテ道を極めるための悪戦苦闘の数々を
いじり倒すコメディ主体で進行
「電車男」で主人公が顔も知らない多くの友人たちの協力を得て
服、髪型、美容のあたりは案外さくっ
クリアしていったのに比べ
親友と呼べる友達もおらず、情報収集にもそれほど熱心でない
普通の高校生・小松の勘違いな失敗は(笑いすぎて)涙を誘う
(変な眉になったり、自力カット失敗でスポ刈りになったり・・・)

エステの美人鬼姉妹
ブサイクなのに自分に絶大な自信を持つ俺様男・山田
可愛い顔で手練手管を駆使、自尊心を充たすため恋のしか知らない長沢チャン
ぱっとしない外見ながら究極のモテ男・小橋さん
魔性の人妻・美奈子さん


強烈なキャラにもまれて
少しだけ成長した小松に、ついに恋の扉は開く!!
相手は、モデルで気の強い同級生の美少女サクラ
女王と下僕の恋に未来はあるのか???(笑)

モヨコ節、炸裂はここから
後半ちょっと、駆け足の感はあるけど
最終巻の切なさを楽しんでほしい

「モテたいと思ってるうちは決してモテない」
「誰にでもあてはまるマニュアルなんてない」

そんな、当たり前のことを知るまでに
馬鹿みたいに傷ついたり、悩んだりする
その痛さが、思春期(死語か?笑)そのものなんだよなー

淋しかったり
恋人がほしいと思ってつきあうのは
本当の恋じゃない
「なんだか、わかんないけど
どうしても、その人じゃなきゃいけないような気がする」
不思議な気持ちに、人はきっと嫌でも巻き込まれていくんだよ

ああ、全てはこれからだ(BY 碇ゲンドウ。笑)
・・・恋愛の天国も地獄も

頑張れ、小松!そしてサクラ!

悩める当事者よりも
恋愛戦線から、ちょっと離れた大人が読むと
妙に、すっぱく、きゅううっとなるかも

hanatomitubati

「花とみつばち」安野モヨコ(講談社ヤンマガKC)

安野モヨコの本
「さくらん」
「働きマン(1~3)以下続刊」SOLDOUT
「花とみつばち(全7巻)」

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えー
ぺんぎん図書館司書
ぺんぺんです

うーん
ちっと、悩んでたんだけど・・・

一応、ぺんぎん図書館はNPOな感じで
やりたいなあ、と
営業活動じゃなくて
(あ、もちろん、売れたら、それはそれで
すっごくうれしいとは思う。笑)
仕事が古本屋ではあるけど
読書が最愛の趣味の
ただの、ぺんぎんだし(笑)

だから、最初はブックレヴューだけにしてた

思いつくまま、書いてるだけだし
店に出さないもの、ないものも紹介していくつもり

でも、まあ、読んで興味を持った人のために
その作品の著者の本で
あるものは
店のページとつなぐのも、あり、かなあと
図書館にはデータベースとしての
役割も大事だと思うから

増えていけば
著作リスト的なものになるだろうし
ぺんの店は小さいけど

■すべてに画像をつけてる
発行年月日、定価、出版社などの詳細な情報を記述してる
■モノによっては、イラストや装画、解説は誰か、
新装版の場合は、旧版とどこが変わってるのか
アンソロジーでは収録作品などの情報も書ける範囲で書いている

という特色があるから
調べ物なんかに使ってもらってもいいし
よそで買うときの値段の相場の参考にしてもらってもいい

たくさんの人が、おもしろいと思える本と
一冊でも多く出会うための手助けになれば
それで、うれしい

てなわけで
すでに書いた分も
店の商品詳細画面とリンクさせてみた
こういう作業慣れてないから時間かかるけど(笑)
まあ、なんとか、やってみます(笑)

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ご存知、アメリカン・モダン・ホラーの旗手
スティーヴン・キングの作品

キング作品は9割は読了してるのだけど
記念すべき初キングがこれだった

80年代終わりに映画がマイブームを迎え
デ・ニーロ作品みまくり
>リアルでは子供だった「ディアハンター」を観る
クリストファー・ウォーケンに一目惚れ
>出演作全コンプ目指す
>「デッド・ゾーン」をビデオで観る
>原作を読んでみた
>キング街道まっしぐら
という経緯(笑)

「デッド・ゾーン」の映画はほんとによかった!
あの特撮による流血がお得意のクローネンバーグ監督にしては
ものすごくおさえめな演出で
主人公の精神世界に重点を置いた作品

それでも、この本をホラーに分類するのは
恐怖=未来への不安感
という部分をものすごく巧みに表現した物語であるからだろう

他のキング作品と一線を画すのは
主人公が「キャリー」「シャイニング」「ファイヤスターター」
と同じく超能力者でありながら
あくまでも平凡な人物が突然、特殊能力を得たときの
戸惑いと悲哀をテーマにしてることだと思う

それは主人公の名前がジョン・スミス
っつー日本で言えば田中一郎みたいな「ありふれたもの
の集大成みたいな名前であることにも象徴されてる

ジョンは幼少時の事故で頭を打ったことで
不完全ではあるが予知能力に近い何かを獲得する
そして大人になっての二度目の事故で
5年間の昏睡状態ののち
目覚めた彼には、さらに特殊な能力が付加されることとなる
今ではメジャーな概念となった
サイコメトリ(人や物に触れることでその過去や未来を読み取る能力)だ

人にものを教える才能を持ち
一教師として、同僚の女子教師と恋愛の真っ最中
平凡な人生を生きるはずだった彼の生活は
このブランクで大きく変わる
眠り続けたあいだに、愛する恋人は人妻になっていた
目覚めて触れた人(看護師や医師)の
過去や未来を見てしまったこと
特殊な能力なしには決して予見できない警告で
彼が人々を助けたことで
預言者として、不気味にまつりあげられていくジョン

あたしが一番好きなのは
ある意味、ストーリーの本筋からすれば
補足的ともいえる第二部の冒頭部分
うさんくさい予知能力者として有名になってしまったため
教師として復職することができず
ジャクソン症候群(読語障害)の少年の家庭教師として
雇われたときのエピソードだ
彼は自分の知識と教師としての能力で
少年の閉ざされた回路を開くことになんなく成功する
「もしも神が彼に才能を授けたとすれば
知りたくもないことを知る才ではなくて、教える才能だ」

という一文が
この後の展開に泣かずにいられない色彩を添える

急進的に伸びてきた
ある政治家の言動に不安を感じ
彼に触れたジョンは
アメリカの、そして未来の世界にとって
彼(スティルソン)が恐ろしい存在であることに気付いてしまう
家族、昔の恋人、そして全ての人類の未来を救うため
ジョンは、悲しくも美しい決意をするんだ
たった一人の人間の捨て身の行動は
世界を救済することができるのか???

非凡な人間をスーパーヒーローとして描く事はたやすいが
平凡な人間の非凡な人生
リアルに描く事は
もしかしたら、すごいことなんじゃないかと
思わせてくれた本

deadzone.jpg

「デッド・ゾーン(上下)」スティーヴン・キング(新潮文庫)

スティーヴン・キングの本
「クージョ」
「シャイニング(全2巻)」
「IT(全4巻)」
「悪夢の種子(スティーヴン・キング・インタビュー)」
「ドロレス・クレイボーン」
「ニードフル・シングス(全2巻)」
「トミー・ノッカーズ(全2巻)」
「ダーク・ハーフ」
「アトランティスのこころ(全2巻)」
「タリスマン(全2巻)」
「スタンド・バイ・ミー」
「ナイト・フライヤー」(ホラー・アンソロジー)
「デッド・ゾーン(全2巻)」状態があまり良くなくてよいなら在庫あり。300円(別途送料160円)くらい。応相談

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ぺんぺんファンのショッカーのみんな
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