生涯一書痴! 病高じて古本屋の店主になってしまった、ぺんぺんの読書日記です。書評ってほど偉そうなものではないですが(汗)読んで楽しかった本、いろいろ考えた本を紹介したいです
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いまどきの高校生・小梅と、冴えないサラリーマンのパパ。
16歳と47歳。
ある日突然、二人の人格が入れ替わってしまったら?
ドキドキの青春あり、ハラハラの会社員人生あり。
心あたたまる家族愛を描いた
笑いと涙のノンストップ・エンターテインメント ?

五十嵐貴久は前から読んでる作家さん。
まだそこまでメジャーではないと思ってたんだけど・・・
なぜか、読み終わった日(7月1日)に
TBSの日曜劇場ドラマの放送が始まって、びっくり。
(主演:舘ひろし、新垣結衣
不思議なシンクロニシティを感じたので
取り上げることにした(笑)

五十嵐貴久の小説は
サスペンス、青春小説、時代小説と多彩。
特徴的なのは、元ネタをすごく上手に料理する手腕かな?
安政五年の大脱走』はあの名作映画『大脱走』を
井伊直弼に懸想され幽閉された姫と家臣たちの脱獄劇に仕立てた作品だし
Fake』は『スティング』のコンゲームの楽しさいっぱいで
ハイジャックされたテレビ局で
婚約者を助けるためにヒロインが大活躍する『TVJ』は
思いっきり『ダイ・ハード』なの(笑)

で、この「パパとムスメの7日間」は
なんだろう・・・?
って考えたら
多分、『転校生』・・・・かなあ?
山中恒の「おれがあいつで あいつがおれで」を原作に
大林宣彦監督、小林聡美・尾美としのり主演で
尾道三部作」のひとつとして知られる作品。
尾道から転校してきた一夫と、老舗そば屋の娘・一美は、
ある事件をきっかけに身体が入れ替わってしまう。
男女の身体の違いを痛感し戸惑うふたりだけど、そんな状況にあってこそ気づく、
自分のことや家族のこと、そして互いへの想い。
そんな状況がおかしくも、最後に切なく泣いてしまう青春ファンタジー。
ぺんももちろん見たよう♪
最近、現代のテイストを取り入れて
大林監督のセルフリメイク作品「転校生―さよならあなた―」として制作され
現在公開中。

でも、実はこの入れ替わりネタは
日本では古来からある。
なんと古くは平安朝だぞっ!
まずは「とりかえばや物語
高貴な貴族の家に生まれた男女の双子。
男の子はひ弱で女々しく、女の子は凛々しくやんちゃ。
なんだか性別を取り違えて生まれてしまったみたいな二人。
男装の女児である「若君」は男性として宮廷に出仕するや、
あふれる才気を発揮し、若くして出世街道を突き進み
女装の男児である「姫君」も女性として後宮に出仕を始める。
でも、それぞれ成長しながらも、初めての恋ゆえに
自らの天性に苦悩し始めた二人は今度は元の姿に戻るために四苦八苦。
本来の性に戻った2人は、それぞれ自らの未来を切り開き、
関白・中宮という人臣の最高位に至る。
これを少女小説にアレンジしたのが氷室冴子の小説『ざ・ちぇんじ!』で
山内直美によって漫画化もされてる。
まあ、この二人の場合は単に、男装女装で
心が入れ替わったわけではないけど。
この発想がこんな昔からあることは興味深い。

最近の作品では
唯川恵の「今夜は心だけ抱いて」
五十嵐作品と同じ着想だ。
幼いころ、離れ離れになった母娘がある事故がもとで体が入れ替わる。
そして知る、互いの立場の長所、短所。
それぞれの運命を受け入れ、
憎しみあっていた二人の関係が改善されるさまを
恋愛主体に描いたもの。

他にも
かのベストセラー東野圭吾の「秘密」
(妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。
妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。
その日から杉田家の切なく奇妙な“秘密”の生活が始まる。)

別人ではないけど
ある日、目が覚めたら17歳だった少女が
時を跳び、同じ17歳の娘を持つ40代の母親である未来の自分になっていた・・・
身体という器は、おばさんなのに
心はみずみずしい高校生というギャップが切ない
時空ものの名作が北村薫の「スキップ」

他にも・・・・いろいろ。
枚挙に暇がないほど。
そんなわけで入れ替わりモノと言えば

二番煎じどころか、すでに出涸らし状態のテーマだよう???
これを、敢えて書くとは・・・・

どうするんだ???五十嵐!

と正直思いました(笑)

でも、おもしろかったんだよ!これが

大手化粧品メーカーに勤め、
新商品開発プロジェクトのリーダーとして
御前会議を控えたサラリーマンの父と、
憧れの先輩とのデートと期末テストを目前にする娘。
地震による脱線事故に遭い、人格が入れ替わってしまった二人は
それぞれ
」と「会社での微妙な立場」という
普通なら家族には見せたくない領域を
共有することになる。

タイトルの通り
7日間で元に戻るであろうことは予測できるし
ストーリーもかなり予定調和的に進んでいくのだが
エピソードの積み重ねで
ぐいぐい読ませる。

父を疎ましく思い、遠ざける年頃のムスメと、
それに寂しさを覚えつつ上手く気持ちを伝えられない父との距離感の
描写が絶妙。
それぞれに大事なイベント?を控えているため
元に戻れるまで一時的に共闘体制をとることになる父娘だけど
普通に日常生活を送るのが結構、大変。
トイレや風呂問題が意外に切実だったりして笑える。
女子高生にしたら
自分の体は

「見るな!」「さわるな!」「ぶっ殺す!」

なわけで(笑)
母親がいない隙に、
意識はパパのマイボディを(笑)目隠しして風呂で洗ってあげたりする。
父は父で、メールを打つのに一苦労したり(笑)

男女の性差へのとまどいは
前述の『転校生』でもコミカルに上手く描かれていたが
そこに47歳の中年サラリーマンと、16歳のバリバリ女子高生
というジェネレーションギャップをからめたとこが
五十嵐風味。

どっちに感情移入するのかは
読み手によるだろうけど、メインとなる
憧れの先輩との初デートの顛末
会社の大事な会議
はどちらも、楽しい。

特に、あたしは
社運を賭けた新企画?と言いながら
結局、各部署のメンツを立てただけ
旧態依然としたお偉いさん方のこれまたかわりばえのしない発言により
なーんの新味もない商品に成り下がろうとしてるパパがリーダーの企画会議で
「買うのはあたしたちなんだよ?
誰のための商品なんだよ?!」

とマジ切れちゃった小梅(ムスメ)ちゃんが
女子高校生的見地からの
マーケティングに関するストレートな意見を
大爆発させるあたりが、めちゃくちゃ楽しかった♪
「忌憚なく意見を述べてくれたまえ」
なーんて言いつつ
結論は決まってるみたいな会議に
嫌気のさしたことのあるサラリーマンなら誰でも

このシチュエーションは愉快痛快!(笑)

笑えて、ちょっと胸のあたりがほかほかするタイプの本が好きなら
おすすめできる。

papatomusume.jpg

「パパとムスメの7日間」五十嵐貴久(朝日新聞社)
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