生涯一書痴! 病高じて古本屋の店主になってしまった、ぺんぺんの読書日記です。書評ってほど偉そうなものではないですが(汗)読んで楽しかった本、いろいろ考えた本を紹介したいです
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もう、めちゃくちゃ久しぶりの更新です(汗)

放置にも程があるっ! ←だから、あんたが放っておいたんだってばよ(泣)

これでは、プレイどころか、
現実だったら、

相手、餓死だよー。

お釈迦だよー。

殺人罪だよー。



えーと、あたしは古本屋店主なので、
店に出す商品としての本には、商品の詳細ページに、
こってり、レヴューを書くし、
ブログの方に、
図書館で借りた本は、「図書カード6年1組ぺんぺん」
自腹で買ったコミックス、文庫などは、「ぺんぺんのお小遣い帳」
というカテゴリがあるので、
そっちに書くだけで、いっぱいいっぱいになってしまい、
上記の範疇に入らないもの、
長すぎてどうよ?というものなどを、ここで紹介するはずが、
なかなか、手が回らない状態になってしまいました(涙)

でも、それだけ文章書いても、
(今日はたくさん店に出品したから、下書きも含め、
原稿用紙換算で、20枚分は書いたと思う・・・)
たまに、

思う存分、1冊の本について語りたい

衝動に駆られることがあるから(笑)
頻度は低くても、
この書評ブログも、細々とでも、続けていきたいな、って思います。

で、久々に、あれこれ書きたくて、
簡単な商品紹介ではおさまらなくなってしまったのが、
この、恩田陸『上と外』

今までも、店に商品として出したこともあって、
再々読くらいなんだけど、何回読んでも、おもしろい。

ざっと、あらすじを紹介すると。

両親の離婚で、別れて暮らす元家族が年に一度、集う夏休み。
中学生の楢崎練は小学生の妹・千華子、母・千鶴子とともに、
考古学者の父・賢がいる中央アメリカのG国までやってきた。
ジャングルと遺跡と軍事政権の国。
そこで四人を待っていたのは「軍事クーデター」。
離れ離れになる親子、二度と会えないかもしれない兄と妹。
密林の中の謎の遺跡と神秘の儀式。
絶え間なく二人を襲う絶体絶命のピンチ。


って感じかな。

幻冬舎文庫書き下ろし、隔月刊行で全6巻。
(当初は全5巻の予定)

って聴くと、何かに似てない?
そう。
スティーブン・キング『グリーン・マイル』ですねー。
毎月1冊ずつ全6巻の分冊で刊行され、
この形式が、読者の飢餓感、わくわく感を誘ったのか、
全米を熱狂させる大ベストセラーに。

「日本でも誰か『グリーン・マイル』みたいなのやればいいのにね。
S先生とか、H先生とか、きっと面白いの書いてくれると思うし、
読みたいんだけどナ」

と、もらしたら、
ご自分が書くことになってしまった、恩田陸さん(笑)
隔月連続刊行は本当に大変だったろう、と思うけど、
他の誰でもなく、恩田さんの書いたものは、間違いなく面白いです(笑)
「ありがとう」と言いたいくらい。

店主は、完結してから、6巻まとめて読んだのですが、
リアルタイムで、読んでた読者、ファンは、さぞヤキモキしたことでしょう(汗)
続きが気になって、不眠になったり、暴動を起こしそうになった人もいそうだな(笑)

1冊1冊は薄い本だけど、
6巻分だと、実は結構な分量だよねえ?
でも、ローラーコースターのように、
恐怖と興奮とある種の快感で一気に結末まで運ばれてしまう。

冒険小説の王道的筋書きだけど、、
少年少女のビルドゥングスロマン(成長物語)として、
家族の絆の物語として、
文明や社会への批判を諷刺を含んだ小説として、
多重的な面白さを持っている。

恩田陸といえば、初期の頃は、個性的といえば個性的・・・、
ややエキセントリックなキャラクターが多かった印象があって、
あたしは好きだけど、万人受けはしないのでは、という気がしてた。
でも、この作品は、老若男女すべてにおすすめできる普遍的な魅力がある。

家族4人以外の、祖父母、叔父、従兄弟といった脇役の個性もしっかり作りこまれ、
(あたしは、職人肌の人が大好きなので、
練のおじいちゃんの大ファンに。
クールな少年ニコも人気が高そうだね。笑)
それが物語を生き生きと動かすエピソードとして、
巧妙なカラクリ仕掛けのように、綺麗な歯車として働いている。
「小説を読む」というより、まるで素晴らしい精密機械の動きに見とれてしまうように、
精緻な時を刻む物語を「美しい」とさえ感じるのだ。

しかも、読後の爽快感は極上

この部分も、それまでの恩田陸作品とは違う印象だった。
わりと曖昧に、謎と、読者の想像の余地を残したミステリアスな結末が、
この人の持ち味かと思っていたんだ。
『上と外』の結末は、
あたしの好きな映画『スティング』『バーディー』のエンディングに
匹敵するくらいの、

「やられた!」感がありました(笑)

書き下ろし隔月刊での文庫発売という初の試みの中で、
(予定よりのびちゃったけど。笑)
ライブ感、スピード感を失うことなく、
これだけの完成度の高いものを書けたことに、素直に驚嘆してしまう。

最初に出たのが、この幻冬舎文庫(全6巻)で、
のちに1冊にまとめて単行本化。
文庫が一部品切れになった頃に、上下2分冊の新装版が刊行。

今、手に入りやすいのは、上下巻だけど、
この全6巻ヴァージョンに、あたしは愛着があったりします。
装丁も好きだし、
通勤やお出かけの電車の中で、読むのにちょうどいい分量で、
(あたしは、結局、一日で全部読んじゃったけど。笑)
それほど、読書に時間を取れない人なら、
一日一冊くらいのペースで読むと、
作中の時間経過とも、ほぼ同じ感じになるので、
すごく楽しいと思うんだ。


uetosoto
「上と外(全6巻)」恩田陸

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「上と外(全6巻)」恩田陸
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