「さくらん」「働きマン」もブレイク中
男女を越えて支持を受ける漫画家となった
安野モヨコの
初の青年誌掲載作品がこれ
あたしは、女性誌の頃から読んでて
好きな作風だなあ、と思ってた
うむー名付けて
赤裸々系?(笑)
系譜としては
内田春菊、岡崎京子のラインか???
それぞれに個性的で好きだけど
共通するのは、エロをきちんと描けること
恋や愛をロマンティックにでなく描けること
かなあ・・・
作家・漫画家含めて表現者には
足し算の得意な人と、引き算の得意な人がいる
というのが、ぺんの持論だ
■
足し算小さな種に
水をやって、肥料をやって
大事に育てて、大輪の花に育てるように
エピソードを積み重ねて
大団円にもっていくのが上手な人
本にカタルシスを求める読者には足し算がいい
疲れたときは、癒されるから
■
引き算玉葱を剥くみたいに
どんどん虚飾を剥いでいって
最後に残る何かで魅せるのが上手な人
フィクションの中の
「本当のこと」を愛する読者には引き算がいい
自分を見つめなおすことができるから
あたしは、どっちかっていうと
引き算の上手な人が好きみたい
安野モヨコは当然、後者
恋愛は綺麗ごとじゃない
どろどろのぐちゃぐちゃにもなったりするし
自尊心、見得、損得、自己満足、物欲、性欲、依存心の
バトル・ロワイアルだ
安野モヨコの作品は
まるで精神分析医にかかったみたいに
心を裸にされていく感じが快感なのだ
青年誌だし
「
モテたい男のラブ・バイブル」
というのが表向きの売りだったようで(?)
前半は
<小松のフリ見てわがフリなおせ!>という合言葉まで生んだ(ほんとか?笑)
モテない高校生男子・小松が
モテ道を極めるための悪戦苦闘の数々を
いじり倒すコメディ主体で進行
「電車男」で主人公が顔も知らない多くの友人たちの協力を得て
服、髪型、美容のあたりは案外
さくっと
クリアしていったのに比べ
親友と呼べる友達もおらず、情報収集にもそれほど熱心でない
普通の高校生・小松の勘違いな失敗は(笑いすぎて)涙を誘う
(変な眉になったり、自力カット失敗でスポ刈りになったり・・・)
エステの美人鬼姉妹
ブサイクなのに自分に絶大な自信を持つ俺様男・山田
可愛い顔で手練手管を駆使、自尊心を充たすため恋のしか知らない長沢チャン
ぱっとしない外見ながら究極のモテ男・小橋さん
魔性の人妻・美奈子さん強烈なキャラにもまれて
少しだけ成長した小松に、ついに恋の扉は開く!!
相手は、モデルで気の強い同級生の美少女サクラ
女王と下僕の恋に未来はあるのか???(笑)
モヨコ節、炸裂はここから
後半ちょっと、駆け足の感はあるけど
最終巻の切なさを楽しんでほしい
「モテたいと思ってるうちは決してモテない」
「誰にでもあてはまるマニュアルなんてない」そんな、当たり前のことを知るまでに
馬鹿みたいに傷ついたり、悩んだりする
その痛さが、思春期(死語か?笑)そのものなんだよなー
淋しかったり
恋人がほしいと思ってつきあうのは
本当の恋じゃない
「なんだか、わかんないけど
どうしても、その人じゃなきゃいけないような気がする」
不思議な気持ちに、人はきっと嫌でも巻き込まれていくんだよ
ああ、全てはこれからだ(BY 碇ゲンドウ。笑)
・・・恋愛の天国も地獄も
頑張れ、小松!そしてサクラ!
悩める当事者よりも
恋愛戦線から、ちょっと離れた大人が読むと
妙に、すっぱく、
きゅううっとなるかも

「花とみつばち」安野モヨコ(講談社ヤンマガKC)
安野モヨコの本
「さくらん」
「働きマン(1〜3)以下続刊」SOLDOUT
「花とみつばち(全7巻)」